tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

何やら奇妙な政府・日銀の為替介入

2022年09月23日 16時51分42秒 | 経済
昨日のブログで、アメリカではFRBが大刀を大上段に振り被る形で、3回目の0.75%の政策金利の大幅引き上げをやって、インフレ抑制の強い意志を国民に強引なまでに徹底する様相であることを、そこまでやるかという驚嘆の意識も含め書きました。

それと時を同じくして、日本では、日銀が政策決定会合を終えて、3%(消費者物価総合指数)のインフレに慌てる政府横に見ながら、あくまでクールに、日本の物価安定度を世界に誇示するがごとく異次元金融緩和の方針は維持します、当面金利引き上げなどは考える必要はありませんといったコメントで政策についての自信を示しました。

ここまでの展開を見て、ブログを書いてしまいましたが、それに続いて起きた政府の行動に本気で驚き、一体日本の金融政策はどうなっているのか訳が分からなくなりました。

金融政策は騙し合い。「発表までは極秘」とはよく言われますが、これは相手が目先の利益だけを考える国際投機資本だからでしょう。先読みされえしまえば、彼らのキャピタルゲイン獲得の餌食になるからだとは専門解説者の言うところです。

しかし日銀と財務省が、あんな形の打ち合わせをしたというのはちょっと考えられませんし、あそこまで演技をして。国際投機資本の裏をかかなくても、スイスの様な普通のやり方もありうるでしょう。

今は為替レートの調整の手段は金利政策によるという時代になっている現実でしょう。
黒田さん自身がやった2013,2014年の二回の黒田バズーカもその典型ですが、そんなことは百も承知の黒田さんが、敢えて政府と組んで為替介入をというのも、なかなか理解できないところです。

結果、政府は当然アメリカその他に「為替介入しましたが認めて頂きたいと思います」と言い訳が必要になります。
今回は了解が得られたようですが、多分「2匹目のドジョウはいないよ」という事でしょう。

付け加えますが、マスコミが「政府・日銀」が為替介入と必ず並べて書いていることも気になります足並みが揃っていると強調のし過ぎの感じです。

前回のブログでも政府・日銀の政策の摺合せの拙さも長年、気になっているところです。
プラザ合意の折はG5ですから政府日銀共に出席ですが、日銀はその後長く円高肯定論だったようですが、円高進行の真っ最中に総理だった宮沢さんは「宮沢回顧録」で「あの時は毎日大幅な円高で本当に困りました」と書いています。

黒田バズーカによる円安実現の時は、政府、日銀共に「2%インフレターゲット」でマイルドインフレを目指しましたが、安倍総理は自分が春闘の当事者だと勘違いして、折角の世界に冠たる春闘の機能を生かせず、円安を活用できませんでした。

今回も、政府と日銀が同床異夢ならば、鬼面人を驚かせた為替介入も次第に忘れられる運命でしょうか。
日本国民は、黙々として優れたことをやって来ています。もっと国民の知恵を掬い上げる政策があってもいいような気がします。

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