tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

政策金利、日米あくまで対照的

2022年09月22日 15時45分46秒 | 経済
今日アメリカの中央銀行FRBは、6月、7月に続いて3回目の0.75%という「大幅な政策金利の引上げ」を発表しました。その直後。今度は日本銀行が「異次元金融緩和の継続」を発表しました。

アメリカは意地でも徹底した金融引き締めをやるという姿勢ですし、日本は、意地でも異次元金融緩和というゼロ・マイナス金利の金融緩和政策を続けようというのです。

考えてみれば、世界経済という環境問題はアメリカも日本も基本的は変わらないのですが、それなのにアメリカは、消費者物価の上昇が10%に達するという心配から、既に二回の大幅金利引き上げやり、消費者物価の上昇は8.3で止まっているところですが、それでもダメ押しという事でしょうか、まだインフレの火は消えていないというのでしょか、また大幅金利引き上げに踏み切ったのです。

日本はといいますと、原油やLNGの国際価格は世界共通で、アメリカは産油国、日本は 無資源国であるにかかわらず、しかも、国内では、最近消費者物価の値上がりが問題になっているのですが、その上昇率は3.0%で、それでも政府は「インフレ傾向だ」と心配しているのです。(日銀は全く心配していない?)

日米間の、この差は、はっきり言って、国内のビジネス慣習の違い、値上げできるチャンスがあれば値上げしよう、賃上げできるチャンスがあれば賃上げしようという競争型経済風土と、インフレは出来れば避けた方が生活が安定すると考える安定志向型社会風土の違いでしょう。

しかし、為替が固定相場制の世なら別として、国際投機資本が常にキャピタルゲインを狙っている変動相場制の現代の世界の事です。
簡単に先を読まれるような政策をとっていては、先を読まれて損ばかりする可能性が出てくるのではないでしょうか。

日銀が異次元緩和継続といった途端、国際投機資本は日銀の頑なな姿勢をよみとったのでしょう、円レートは、$1=¥145を越えました。その後も145円の直下に貼りついているようですが、円安の進行は日本経済内部の付加価値配分のアンバランスを助長し、その調整に政府・民間共に苦労します。

為替レートは、正にマーケット・テクニークの人為的な要素の大きい問題ですが、プラザ合意や黒田さん自身がやった黒田バズーカのように、経済実態に大きな影響を齎す可能性を孕むものです。

日本経済はプラザ合意で致命的な痛手を受け、二発の黒田バズーカでその挽回のチャンスを作りながら、その活用に殆ど失敗して、成長のないアベノミクスの8年余を過ごしました。

これからは、日本も、為替レートと実体経済の関係を十分に研究・理解し、為替レートの安定に努力するとともに、その変動に対しての合理的で適切な対応策を身につけることが益々大事になるのではないかと思っています。

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