tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

サミットの効用

2008年07月09日 21時04分25秒 | 社会
サミットの効用
 世界から期待された(?)洞爺湖サミットも終わりました。
 先進主要8カ国の首脳と、環境問題が主要議題ということで、中国、インドなど新興主要8カ国の首脳も洞爺湖畔に参集し。議論の結果、42年先の2050年に温室効果ガスを半減するといった長期目標についての合意には何とか漕ぎつけたようです。

 環境問題は、人類の未来に直接影響する問題ですから、当然、最も深刻な問題です。しかしそれ以外にも、当面の世界経済に大きな暗雲をもたらしている原油価格の高騰の問題、その問題の背後にある、世界の金融市場を我が物顔に撹乱する投機マネーの問題など、主要8カ国の首脳が集まったら、当然論議しなければならない問題ではないかと思われる問題があるのですが、予想通り素通りされています。

 足掛け3日で論議できる問題は限られているよ、という見方もあるでしょう。しかしその準備には膨大なマン・アワーが費やされているのですから、文字通りサミット(頂上)で、いわば、氷山の一角がこの3日間であっても、水面下の巨大な部分で、何らかの下準備ぐらいは、「やろうと思えば」出来るはずです。

 日本人は真面目すぎるのでしょうか、世界の主要国のトップが集まるサミットなら、当然、世界全体のことを本気になって考える会議だと思うのかもしれませんが、まだまだ自分の国の都合を他の国にも認めさせる場だと考えている国も少なくない様に感じます。だから、結局は、実害のないことについては合意しますが、直接の利害に関わることになると、できれば触れないで済ませるといった思惑が働くのでしょう。

 だからといって、サミットは重要ではないのかというと、サミットは絶対に重要です。
それは、主要国の首脳が、絶対的な義務感をもって、定期的に集まることの物理的な意味です。さらに利害関係の錯綜するそれ以外の国の首脳も交えて、定期的に集まり、会議以外にも、食事やパーティーの中で直接の接触を持つことが人間的な交流を生むという点でしょう。

 日本には「同じ釜の飯を食った」という表現がありますが、国と国、企業と企業の良い関係も、その原点は「個人と個人の良い関係」に還元されるということを経験された方も多いと思います。

 「継続は力なり」です。サミットも継続していけば、いつかは、お互いに、全体のことを大切に考えるといった本来の目的に近づいていくだろうと、多少楽観に過ぎるかもしれませんが、期待してよいのではないでしょうか。

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