石破新総理の所信表明演説がありました。
マスコミはこぞって演説の全文、項目別の解説、触れられなかった点などと懇切な報道をしてくれています。
石破さんが、総理大臣に就任して、今何が必要かを考えている内容がよくわかりましたと言いたいのですが、本当にそうでしょうか・・・。
多くの方も同じように感じえおられるようですが、これが本当に石破さんの考えていることの披歴なのかという点がどうにも気にかかるところです。
自民党総裁、総理大臣になる前は、石破さんの心の中には、自民党はこんな事をしていてはだめだ、政権維持のためを考えすぎて、国民のため、日本という国のため、日本が世界に役立つ国でなければならないという日本の政治家としての本来の持つべき考え方が失われている。現状の自民党は改革が必要という思いがあったと見ている人は多かったでしょう。
しかし、今回の所信表明演説には、そうした主張や、これまでの自民党への厳しい視線は残念ながら見当たりません。
選挙資金を政治資金と呼んで、資金集めに精出し、裏金と言われる方式まで作って選挙に備えた自民党政治の過ちを、言葉で反省はしても具体的に何をするかは見えません。
国民は、来る総選挙での公認の中に、その答えの一部を見るでしょう。
経済政策ではほとんどが、従来路線の踏襲、物価に負けない賃上げが最初に出てきますが、これは労使の仕事で、政府の仕事ではありません。政策の誤りも従来路線の通りという所が垣間見えます。日本のLeaderは、他人の書いた台本を読むReaderかと勘違いします。
防衛については、今回は敢えて触れませんが、力を入れていると思われるのは災害復興から地方創生の部分です。
国土強靭化に続けての地方創生ですが、この部分は特に熱が入ったようで、報道では地方創世のための「交付金」を、当初予算ベースで倍増という説明があったようです。
インバウンドの活用、農水産物の具体策も織り込まれていますが、地方創生という名目で、日本中に新たなバラマキをするという事が基本でしょう。
今まで自民党は、コロナの時は1人10万円、今回の4万円の定額減税など、人気取りと誤解(正解?)されるものが多かっただけに、また「交付金」か。災害復興、国土強靭化への資本注入が本筋という意見は多いでしょう。
以上いろいろ書いてきましたが、最も気になるのは、これまでの石破カラーはほとんど消えているというところです。
一体、石破さんの本音は何か、従来の自民党を変えて行くという事は、この所信表明委演説の内容からすれば殆んど可能性がないと読み取れてしまうという事です。
国民、有権者はどう判断するのでしょうか。
日本は民主主義国ですから、それを知るすべは、10月27日の総選挙で、有権者の半分ほどではなく90%を超える投票率を実現することしかないでしょう。
これまでの投票率50%台の「部分民主主義」で日本の政治が動いている限り、日本はこれまでと変わらないことになるという事が、今回の石破総理の所信表明演説で分かったのではないでしょうか。
本当に必要なことは、日本の有権者が、27日の総選挙には、総て、日本の将来を背負う責任者として投票に行くことだと思っています。