tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

玉音放送と承詔必謹

2008年08月13日 16時19分53秒 | 教育
玉音放送と承詔必謹
 今年も8月15日、終戦の日が来ます。1945年のあの日は日本中が晴れていたようで、暑い日ざしのもと、天皇陛下のお言葉(玉音放送=終戦の詔勅)の意味を、ラジオの雑音の中から、何とか聞き取ろうと努力した経験をお持ちの方も、丁度今「後期高齢者」といわれる方々の中には多いのではないでしょうか。

 私の住んでいた地方都市は、7月の初めにB29の空襲でほぼ全滅し、国民学校(今の小学校)は先生も生徒も散りじりになり、そのまま夏休みにはいってしまいました。我が家も全焼し、9月になって、私は疎開した親の実家の村の国民学校に編入してもらいました。

 9月、2学期の最初の授業で、小学校の担任の先生は黒板に大きく『承詔必謹』と書かれ、「これはショウショウヒッキンと読みます。天皇陛下のお言葉を承ったら、必ず謹んでお受けしなさい、という意味です、終戦の詔勅が下されました。謹んでそれに従いましょう。」といった意味のことを、丁寧に説明されました。

 この授業が、文部省の指導であったのかどうかはわかりませんが、結果的に、米軍の日本占領は、極めて平穏に進展しました。その経験が、イラク戦争の折にも、アメリカの(誤った)自信につながっていたようです。

 最近、たまたま、ネットで聖徳太子の「17条の憲法」を見ていましたら、その第3条が『承詔必謹』でした。あの授業から数十年たった今、計らずも自分の無学を恥じることになりました。

 『和を以て貴しとなす』(第1条)は有名ですが、1300年余を経た1945年、昭和の時代にも、日本人の心の源流とでも言うべき『17条の憲法』が生きており、終戦後の混乱を避けるために、国民学校の先生が、真っ先に、第3条の『承詔必謹」を引用して、生徒に、日本人としての取るべき態度を教えたということに、「さすが日本の初等教育」と改めて感慨を深くしました。


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