tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

アメリカ経済好調の秘密

2007年05月08日 22時54分05秒 | インポート

アメリカ経済好調の秘密

 日本経済は、長期低迷を脱して史上最長の好況ということになっていますが、アメリカ経済にはとてもかないません。アメリカ経済は、グリーンスパン連邦準備制度理事長の絶妙といわれた金融政策に支えられ、さらには当初危ぶむ声もあったバーナンキ議長の下でも相変わらず好況を続けています。

 今年の暮れには低迷の可能性もなどといわれましたが、このところまた強気が目立ち、株価の史上最高をマークしているようです。

 経済運営というものはやりようによってそんなに巧くいくものかと感心したり、日本でも出来るのかな、出来るならぜひやってほしいなどという希望もあるようですが、よく考えてみるとアメリカの好況は、どうもアメリカしかできないもののように思われます。

 理由は簡単で、通常、経済が好調であることの最大の条件の1つである「国際収支の健全性」(黒字基調であること)がアメリカでは必要ないことになっているからです。

 通常は家庭でも国でも、支出が収入を上回ったら「これは大変だ」と生活を引き締めます。つまり不況になります。理由は生活費が払えなくなるからです。ところが、アメリカは巨大な国際収支の赤字を積み上げながら、繁栄を続けています。なぜでしょうか。

 アメリカでは、「アメリカが赤字になれば、どこか他の国が黒字になっているはずだ。その黒字がアメリカに還流すれば、アメリカは使う金に困らない。」と考えられているようです。

 確かに、かつて対米大幅黒字の日本も、現在大幅黒字の中国も、アメリカの国債(財務省証券)をたくさん買っています。つまり、喜んで黒字分をアメリカに貸しているのです。当面返してもらうつもりもないようです。返してもらっても代わりにどこで運用するか困るからです。

 赤字でも、資金繰りに困らないから、どんどん需要(消費や投資)を刺激して好況を維持する。これなら経済政策もかなり簡単なものになるようです。

 

 


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