tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

非正規雇用問題に思う-1

2009年02月01日 15時11分06秒 | 労働
非正規雇用問題に思う-1
 今回の不況では、非正規雇用の削減が大変大きく報道され、日本の社会が非常に不安定なものになっているような印象が強くなっています。
 一部には、派遣労働の適用拡大が進められたことが、こうした現象の背後にあるとして、特に製造業における派遣労働を禁止すべきといった意見もあるようです。

 これに対しては、現状でも多くの労働者が製造業で派遣労働者として働いており、一律禁止は、却って製造業への就業と困難にするといった意見もあり、派遣労働についての法律制度の見直しの動きには直接はつながらないようです。

 かつては「雇用を大事にする」のが日本的経営の特徴とされていました。こうした日本的経営の特徴は、基本的には、経済活動と言うのは、もともと人間が豊かになるために人間が行っているものだから、人間を一番大切にするのは当然、という日本の伝統的な考え方があったように思います。

 この日本的な「経済活動における人間への理解」は、正規従業員であっても、非正規従業員であっても同じものであるべきでしょう。
 同時に、価値観が多様化している今日、雇用についても、多様な形が用意され、働く人々にとって、自らの選択に応じた多様な雇用のチャンスがあることも大事なことでしょう。

 そのために制度が柔軟なものに設計されているということであれば、必要になるのは、経営者と労働者が共に、その制度を「賢明に」活用するということではないでしょうか。どんな制度でも悪用することは可能でしょう。それをしないことが、社会正義に適った大切な行動です。

 今回の問題では、経営側も労働側も、もちろん悪用する気はなかったと思います。しかし結果的に、状況変化の中で、多少問題のある結果が出てしまいました。
 労使双方が、もう少し巧く考えれば、この問題は、十分に「ソフトな」対応が可能だと思えます。この点について、次回も含め、もう少し反省して見たいと思います。


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