tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

節電と蓄電技術

2011年04月08日 12時25分17秒 | 科学技術
節電と蓄電技術
 この夏の電力不足は避けられないようですから、昨年のような酷暑でないことを願うのみです。
 産業界も家庭もいろいろなことを考えて、ピーク電力のカットを心掛けなければならないと思いますが、それにしても、こうした問題の一番基本は、電力が貯蔵不可能という事でしょう。

 貯蔵不可能ですから、当然ピーク時対応の発電能力を持たねばならないわけで、ピーク時以外は設備の稼働率は低くならざるを得ません。平均稼働率が低くなる分、コストは嵩むわけですが、貯蔵できないのだから仕方ありません。

 せめて、夜間電力利用の揚水発電といった、エネルギー的には無駄でも経済的にはペイするといったことがやられてきた程度でしょうか。
 しかし近年、地球環境問題対応策としての自動車駆動動力の電気化の動きとともに、蓄電という問題が本格的に動き出して来ていました。

 鉛蓄電池から、今はリチウムイオン蓄電池が、ますます高性能になっているようですが、そのほか多様な蓄電素材、蓄電技術の研究が進んでいるようです。
 水素にして貯蔵し燃料電池を利用する方法や、今はまだ夢のような話ですが、究極の貯蔵方法としての超伝導の利用など、可能性はまさに多様でしょう。

 当面する今夏の電力不足対応の問題でも、様々な蓄電池の高効率化の研究が急ピッチで進められているようです。太陽光発電などの新しい多様な発電技術の開発とともに、蓄電技術の開発が進めば、電力供給の世界は次第に変 わっていくのではないでしょうか。

 問題は技術開発によって、何処までコストを下げられるかでしょうが、コストの低減にはマーケット(需要)のサイズも大いに関係してきます。多くの人が利用すればコストは下がります。

 原発問題が世界的に議論を呼んでいる現在、日本が、蓄電技術で、何らかの突破口を開き、「電力の貯蔵」という技術的課題に、新たな一歩を踏み出すことができるでしょうか。

 今回の問題がきっかけになり、日本が蓄電技術で世界をリードするようになれれば、まさに災いを転じて福と為すですが、最近報じられる日本企業の真剣な取り組みの様子などを拝見していますと、何かその可能性を感じられるような気がしてきたりします。

 日本の技術者頑張れ!!


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