tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

坂の上の「雲」、舶来から国産の「雲」へ

2009年12月24日 10時09分06秒 | 経済
坂の上の「雲」、舶来から国産の「雲」へ
 「坂の上の雲」が描いた時代、多くの日本人はエネルギーに満ちていました。勿論、列強のアジア進出、そして日本はどうなるといった緊迫感があったのでしょう。
 しかしそれを受け身で眺めているのではなく、日本も列強に伍してやれる力を持とうと富国強兵に励んだのでした。

 有史以来、日本は島国です。刺激は多く海外から来ます。文字の伝来、仏教の伝来、陶磁器、織物、美術工芸・・・・・、日本列島、日本人に刺激を与え、その進歩を促したのは「海外からの文物」です。

 島国ですから「舶来崇拝」は致し方ないことですが、その後も、織田信長の舶来崇拝、その裏返しの徳川幕府の鎖国、鎖国しつつも取り入れた蘭学、解体新書、明治に至って富国強兵、植民政策、戦後のアメリカ経営学、マネー資本主義まで、日本人は貪欲に取り入れてきました。

 しかし、戦後の日本は、坂の上の「雲」を、舶来の雲から、次第に国産の「雲」に変えてきたというのも事実ではないでしょうか。

 戦後の「高度経済成長」は、領土や資源がなくても勤勉な働きと技術開発で、経済はいくらでも発展できることを世界で初めて実証しました。これはアジア諸国に大きな影響を与えたようです。
 オイルショックの時は、エネルギー使用量を減らしながらの経済成長が可能なことを示し、輸入インフレを国内インフレに転嫁しない経済行動を実践 してみせました。プラザ合意では、為替レートを2倍に切り上げられても 経済破綻せず生き残って見せました。
 これらはすべて諸外国では考えられなかったことといえるでしょう。

 ところで、IT技術の発達した今日、もう島国といった地理的条件は意味を持たなくなりました。舶来尊重もなくなるでしょう。ただ、良いものは良いというだけです。

 つまり、日本は、進んでいる外国の姿を見て驚嘆し、目標として見上げた、その目指すべき「雲」を、今は、「自分の頭で選び、創り」「自分の力で成し遂げる」ことが出来るような国になっている、ということではないでしょうか。そしてそれが、今度は外国の目標、「雲」になるのです。

 「島国根性」を脱却し、今後の世界経済社会のために重要な刺激を提供して恩返しのできる国として役割を果たす、日本自身が外国のために「坂の上の雲」たり得るような、積極的な活動をすべき時期が来ていると考えれば、日本人にも新たなエネルギーが湧くでしょう。

 さて、何が今後の世界のために必要な「坂の上の雲」になりうるのでしょうか。


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