tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

トランプ政策とアメリカ経済の行方

2018年04月25日 10時47分58秒 | 国際経済
トランプ政策とアメリカ経済の行方
 昨日のニューヨーク株式市場も大幅下げだったようで、今日の東京市場も下げていますが、日本の連れ安は別として、最近のダウ平均の下げは、有力企業の収益不振がきっかけの事が多いようです。

 昨日などは史上最高益を発表した会社に対してこれで利益がピークアウトだとの予想で嫌気といった解説もあるようです。
 アメリカ市場は従来の強気から少し風向きが変わってきたのでしょうか。

 トランプ大統領の「アメリカ・ファースト」に沸いてから1年余、自国中心、保護貿易といった政策が打ち出される中で、アメリカの繁栄を取り戻すという言葉に踊らされた景気から、トランプ経済政策の企業経営、実態経済へのマイナスの影響がジワリと認識されるようになったのではないでしょうか。

 鉄鋼やアルミの関税引き上げにしても、優れた素材については輸入の多いアメリカの製造業のコスト高につながるという意見は多かったわけで、それで一部のアメリカの産業地帯が喜んでも、現実の企業経営にとってはトータルではマイナスでしょう。

 製造業だけではありません、農業分野でも、アメリカの関税引き上げに対抗して中国はアメリからの輸入大豆で報復というも対抗手段を打ち出していますが、アメリカの大豆輸出の4分の1ほどを占めるとみられる中国です、保護主義の対決となれば、米中双方に痛手が広がることは必定です。

 もともと経済理論からいっても、競争力の落ちた産業を保護する政策は、競争力回復のための一時的政策としてなら可としても、現実には保護政策をとればとるだけ、競争力はさらに弱くなるのは当然で、トランプ政策は合理性に乏しいのです。

 これまでの所では世界に先駆けて金融の正常化、金利の引き上げを続けながら、経済成長率の回復、雇用の改善、物価の上昇といった目標を順調に追いつつあったアメリカ経済ですが、「アメリカ・ファースト」といった雰囲気づくりの奏功、それにシェールガス・オイルが援軍になったといった面に支えられたようにも見えます。

 現実に実体経済が順調な活動を続けるかどうかといった「サステイナブル」な成長状態を実現できるかどうかは、これから明らかになるのではないでしょうか。
 これまでの順調な動きの裏で、改めて、双子の赤字(財政赤字と経常赤字)拡大の懸念も出ているようです。
 北朝鮮問題を中心にトランプさんの国際政治の面での手腕に世界の関心が集まる中で、アメリカの実体経済にも十分注意を払う必要がありそうです。

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