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人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

歴史に学ぶ人、学ばない人(日本篇)

2020年08月12日 17時44分32秒 | 文化社会
歴史に学ぶ人、学ばない人(日本篇)
 前回は、国連常任理事国5か国のうち、3か国のリーダーは歴史に学んでいないように思えることを書きまし
 勝手な解釈かも知れませんが、同じ経験でも、失敗の経験の方が、より多くの事を教えてくれるように思えます。アメリカ、共産圏は、東西対立の時代の再現の様相にもありますし、現実はソ連に代わるのはロシアではなく中国という事でしょうか。
 中國はその4000年の歴史の中で、四書五経をはじめ、多くの歴史分析の書がありますが、習近平さんは、それらから何を学んでいるのでしょうか。

 翻って日本で見ますと、いま大きな問題になっているのは「戦争を知らない世代」と「戦争を知る世代」のギャップではないでしょうか。

 さきに「 田中角栄語録から:戦争体験の無い政治家たちの危うさ」を書きましたが、田中角栄さんも、日本の将来を考えるとき、この経験の違いを気にしておられた事が解ります。
 そして、今。その時が来ているのです。

 真珠湾攻撃から原爆投下、終戦までの経験、その記憶、それから学んだことは、国として行く道を誤ると、どうなるかをすべての国民に「つぶさに」教えてくれたように思います。
 戦争経験者には、これはまさに、「あまりに強烈」な教訓です。

 そしてこの教訓、経験からの学習は、今も、戦争を知らない世代の市井の多くの人に語り継がれてきています。そして日本の多くの人々は、祖父母や父母の体験を聞いて育ち、多くの報道や書物にも接し、あたかも自分の体験のように感じているのではないでしょうか。

 田中角栄も、
 「戦争を知っているやつが世の中の中心である限り、日本は安全だ。戦争を知らないやつが出てきて、日本の中核になったとき、怖いなあ。」といっています。
 そしてそのあとで、
「しかし、勉強して貰えばいいやな」と付け加えています。

 今、日本は、自民党政権ですが、全く戦争の経験のない世代がリーダーです。
 今、日本人の多くが気にかけているのは、戦争を知らない安倍総理が、戦争についてどんな考えを持っているのかという事ではないでしょうか。

 明らかに今、日本は田中角栄が「怖いなあ」といった時代に入っているのです。安倍首相は、戦争は経験していないけれど「勉強してもらったからいい」と言えるのかどうか、多くの国民は疑心暗鬼なのではないでしょうか。

 おそらく、改憲を唱えてきた自民党の歴代首相で、日米安保条約を重視し、自衛力増強を主張した方がたも、戦争を知っている世代であれば、戦争という異常な破壊活動の愚かさを繰り返すことはないという、「戦争を知ることによるストッパー」が心のどこかに存在するはずだと信じることが、国民にとって可能だったのではないでしょうか。

 安倍総理が、戦争は知らないが、確りと歴史に学ぶ人なのか、あるいはそうでないのか、日本人の多くが、田中角栄さんと共に「怖いなあ」と危惧しなければならない時代が来ているようです。

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