tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

2021年11月、家計消費は低調

2022年01月09日 22時25分03秒 | 経済
1月7日、総務省より11月分の家計調査が発表になりました。
ちょうど、新型コロナの制圧が可能になるのではないかと期待を持たせるような新規感染者数の激減の時期でしたので、消費も少し活発になったのではと考えていました。

然し数字が発表になってみると状況はあまり変わってはいないようです。グラフにして昨年と較べてみましたが、余りぱっとしないので、その状況だけ報告しておきます。

先ず2人以上の所帯の消費支出の一昨年と昨年の動きを折れ線グラフで示しました。
一昨年は、3月まではまだ新型コロナが如何なるものか解らない人も多かったのでしょうが、4月から緊急事態宣言、そして5月まで延長ということになって、巣籠りが始まり、消費は落ち込みました。

二人所帯の消費支出の推移(単位1000円)

    総務省「家計調査」

5,6,7月には一人10万円の給付金出ましたが消費支出は全く増えていません。
秋になってGoToなどもあっていくらか上向き、政府の楽観政策で年末が少し良かったようですが1月にはまた緊急事態宣言で落ち込みです。

1月から茶色の線に移りますが、暖かくなる頃から異常に快調で、巣籠り需要などといた言葉も出来、住宅関連や耐久財などの売れ行きが活況になり、なぜか外出する教養娯楽、衣服・履物などの需要がありました。

然し症状の重いデルタ株が8月まで猛威を振るい、厳戒体制で8月をピークに感染者は減少、10月あたりから、コロナも終幕などの見方の出る一方、オミクロン変異株の出現で第6波を予想する専門家も多く、さてどうなるかでしたが、11月の消費性向は矢張り前年比下降です。

昨年3,4月の消費の多少の活性化は、我慢疲れの反動だったのでしょうか。家計の消費動向は、ずっとコロナに振り回されている事がはっきりわかります。

所で収入と支出の分析が可能の2人以上勤労者所帯でずっと追いかけている、家計の消費意欲「平均消費性向」についても同じ2年間について「平均消費性向」の数字を採ってみました。

    2人以上勤労者所帯:平均消費性向の推移(単位:%)

     総務省「家計調査」

こちらは棒グラフにしてみました。
昨年3,4月の「我慢の反動」の時期、平均消費性向は前年より上がりました。そして続く5、6、7月も前年より高くなっています。

理由は、3,4,5月は「我慢の反動」でしょう。5,6,7月月は、前年この期間に一人10万円の給付金だ出て、それが消費に向かわなかったため、平均消費性向がその分さがっていたからです。とくに両方が重なった5月は前年5月比13ポイントも上がっています。給付金が無ければこうなるということです。

2021年7月昨年5月の家計調査が出た時のブログでは順調な改善傾向と驚いて(喜んで)いますが。その後一人10万円の支給と共に本来の姿は見えなくなりました。

見えてきたのは8月からですが、結局、勤労者家計は前年以上に消費には慎重という傾向の継続です。

政府は、オミクロン株の増殖は速いが、ワクチン接種の早期化も含めて、経済の活性化にも力を入れていくといます。
しかしワクチンも外国頼みで、自力でできるのは国民に「感染を増やさない様に」してくださいとお願いすることだけというのが現状です。
わが家もそうするように頑張るつもりです。