tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

コロナ新規感染減少の背後にあるもの

2021年11月06日 16時39分29秒 | 文化社会
新型コロナが世界中に拡がったことで、世界のいろいろな国の人達が、コロナをどのように受け止め、どのような対応を取ったかという様子が、テレビの映像を通じて直接に入ってきました。

これはある意味では大変貴重な情報だったように思っています。
勿論、映像だけでなく、それぞれの国のリーダー、また国民がこのパンデミックをどのように受け止めているかも、多様なマスコミを通じて、時には解説付きで入ってきます。

最初に、「あれ、日本と違うな」と思ったのは。ヨーロッパやアメリカなどで、人の集まる場所、駅のホームや目抜きの道路などを消毒薬の噴霧器で万遍なく消毒している映像でした。

日本では机やドアの消毒の映像が一般的です。銀座通りや東京駅のホームを消毒薬で全面的に洗い流すといったやり方はなかったようです。

何が違うのか考えてみますと日本ではまず手の消毒、欧米では足(靴底)の消毒が大事だったのかなと思われます。
欧米と日本の違いは、欧米の下足のまま家に入る文化と、玄関で靴を脱ぐ日本の文化から来るのかなと思いました。

そこから推測したのは、玄関で靴を脱ぐ習慣は、対コロナでかなり役に立っているのではないかという事でした。

さらに最近の映像ですが、欧米では、最近、ヨーロッパがコロナ再蔓延の中心になりかねないと言われながら、経済活動重視に踏み切り、感染者増加も予断を許さない状態と言われる中ですが、何故か、マスクをしている人が異常に少ないという様子です。

几帳面と言われるドイツの映像でも、マスクはせいぜい2~3割のように見受けました。
もともとマスクに馴染みのないお欧米人かもしれませんが、マスクはコロナ対策の基本のはずです。

それに引き換え、日本の映像では、マスクは9割(99%?)以上でしょうし、飲食店などの消毒、清拭、通風などの衛生・環境管理のきめ細かさは異常と見えるほどです。

日本のワクチン接種率も、ようやく主要国に追いつき、遅々ながらさらに進む気配です。
新規感染者の発生の程度と経済活動のバランスをどの辺りと考えるかという国民のバランス感覚も日本の場合かなり厳しい感じです(GoToの失敗に学んだのでしょうか)。

こうした諸外国の現実の映像と、政策方針などの多彩な報道に直接接しながら考えてみますと、やはり日本人の真面目さは、まだまだ多くの日本人の中に確りと残っているのではないかといった感じを持ちます。

 一時、若者はワクチンを打たないといった風評が流れましたが、現実はそうではなく、多くの若者が、政府が若者のの接種を始めてみれば、多くの若者が積極的にワクチン接種に動いたという現実もあるのです。

 こうした日本人の行動は、スポーツ観戦の時の行儀のよさ、後片付けをきちんとして外国人から驚きの目で見られるといった、社会を構成する人間としての基本に忠実であろうとする、今も残る日本人の心根の表出なのでしょう。

コロナの新規感染者の急減の理由はもちろんワクチン接種率の向上にあるのでしょうが、政治や保健行政の面だけから分析しても理由は不明かもしれません。

何よりも、日本人の生活習慣を含め、対人関係の現場で働く、また接触する人たちの「現場」における行動に大きなカギがあるかも知れないといった事も、検討に値するのではないでしょうか。

こうした、日本人が一般的に持つ生活習慣、また日常の生活上の意識といったことは、対コロナでけでなく、日本人の社会活動、経済活動のいろいろな面でも、検討に値する重要な側面ではないでしょうか。