tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

コロナ後を見据えた経済政策 2

2021年06月29日 23時04分19秒 | 経済
消費需要:当面する最大の問題点
このブログでは、総務省の「家計調査」の中の勤労者所帯の「平均消費性向」をずっと追いかけてきていますが、この所のコロナ禍の中で、平均消費性向は低迷を続けて来ました。

コロナの感染抑制のために、3密を防ごうというのですから、会食も旅行もイベント参加もままならないわけで、消費が落ち込むのは当然ですが、菅政権は、経済低迷を恐れて、GoToキャンペーンをやったりして、コロナの蔓延を助長する大失敗で、消費低迷を一層ひどく長いものにしてしまったりしました。

当時の菅総理が理解したのは、消費が活発にならなければ、経済は落ち込むという事だったのでしょう。しかし、GoToキャンペーンで消費を伸ばそうとすれば、コロナ感染者が増えるのですから、結局はGoToはやめて、早くコロナを制圧するべきとなっていますす。

コロナさえ片つけば、黙っていても消費は増えるというのがコンセンサスになり、それならワクチンだ、となり、菅総理もやっと気付いて、1日100万回接種といい始め、更に、「日本をワクチン開発のセンターにする」とまで言い出したのです。

この辺りに、経済政策の基本になることが何となく出て来るのです。
先ず、消費を増やすことが、直接経済成長、つまりGDPの増加につながる.。景気を良くしたければ、消費を増やす、家計が元気に金を使うような社会にしなければならないといことになります。

今はコロナのせいで消費不振です。コロナが制圧されれば、黙っていても消費は増えるでしょう。しかしその先どうかといいますと。コロナ以前の状態、国民が先行き(老後)不安で消費を削って貯蓄に走るという所に戻ってもどうにもなりません。
コロナ以前に戻ったのではダメで、その先の政策が必要なのです。

もう一つ、菅総理は日本を世界のワクチンの研究センターにと言いました。これは、ワクチンだけでなく役に立つ先端技術に共通で、日本がいろいろな分野で、先端技術のセンターになることに成功すれば、世界が必要とするものが日本の力で供給でき(今日のファイザー、モデルナのように)、世界をリードする先端技術を持つ日本経済は当然に発展となるわけです。

菅総理もコロナの中で、試行錯誤しつつ、結局、やるべきことはワクチンの早期接種と、将来のためのワクチン開発センター構想と結論を出したのでしょうし、、多くの人は以前からそう思っていたのでしょう。
今、殆どの日本人はワクチンの早期接種に努力に邁進しているのですが、問題はワクチンの確保という事でしょう。

こうして、最近のニュースの中からも、いくつかのヒントが出て来ました。
先ずワクチン接種、コロナ制圧の王道でしょう。制圧の目鼻がつけば、人は街に出、旅行の計画をたて、飲み会は盛況、エンタメは活況となるでしょう。消費は増加します。GDP増加(経済成長)に貢献します。

さて問題はその後です。日本経済は安倍政権の末期(コロナ禍の前)から低迷状態でした。主な原因は消費不振です。消費税増税が響いたとも言われますが、消費不振はその前からです。

折しも選挙に向けてでしょうか、立憲民主党枝野代表から「時限的に消費税を5%に引き下げる」という考えが打ち出されました。
これは、消費税の税率を現行の半分に戻すことによって、消費を喚起し、それをきっかけに日本経済の活性化を進めようという構想の多分第一歩でしょう。

ここで、消費税率と消費の関係という問題が出てきます。果たして消費税率を引き下げれば消費が活発化するでしょうか。
次回はこの問題を中心にコロナ後の日本経済を考えてみましょう。