tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

コロナ対策、混乱のまま終盤へ行くのか

2021年06月01日 13時19分01秒 | 政治
コロナ対策、混乱のまま終盤へ行くのか
 東京五輪へは2か月を切りましたが、専門家からは、水際対策も含め、感染防止は「疎にして漏れる」可能性の指摘もあり、1日100万回接種も口先だけだったことが解ってしまい、混乱の中で緊急事態宣言の延長期間に入ったのですが、この延長期間の20日というのが、特に根拠のない(説明もない)もので、至る所に綻びや混乱のある中で、時間だけがどんどん経っていくといった状況です。

 国民の社会・生活活動の制限を求める緊急事態宣言や蔓延防止措置などは、問題終息への期間を判断して、宣言や措置が終われば、国民はこれで解決と安心できることを目指してのものという理解だったのですが、宣言や措置の期間が終わっても、実は状況に何も変わりなく、当然の結果としてリバウンドでした。

 そんなことを何回も繰り返して、国民が、期限を切った緊急事態宣言とはいったい何なのだ、と政府の政策に不信感を持ってしまったのが今の状態でしょう。

 幸い、ようやくワクチンが日本も入手できるようになったようで、順調にワクチンが入荷すればコロな征圧の目鼻もつくのではないかとの期待が生まれたときの、菅総理の1日100万回接種宣言でしたが、これも実は何の根拠もない単に望ましい数字だったことが解ってしまいました。

 更に政府(担当大臣)は、ワクチンはファイザーとモデルナ製で2億4千万回分確保しているから、アストラゼネカ製は台湾に譲ろうと言っているようですが、2億4千万回分が、何時までにどれだけ入ってくるのかは全く説明がありません。

 政府は、高齢者への接種は7月中に終えたいと言っていますが、時間的には、それに重なって五輪用、更には五輪関係で大衆移動が起きるであろうことを考えれば、新型株の感染拡大を見ている若者層にも格段の接種のスピードが求められるのではないでしょうか。

 若者接種の決め手となる、職域、学校を通じての接種を6月21日から始めることがやっと決まったようで6月21日以前でもできるところは認めるという事ですが、それなら6月21日など決めずに、職域も、学校も、出来るところから「どんどん始めてくれ」というべきでしょう。

 菅政権の思考形態を見ていると、意味のない期日や根拠のない数字を勝手に決めたり使ったりすることが大変多いように思われてなりません。
 問題が重要で、難しい事であるほど、実態の把握を根拠とした合理性のある期日や数字を、出来るだけ正確に国民に知らせるというのが、国民に信頼されるために必要な政府の政策態度でしょう。

 国民に実情を適切に説明しないとか、国民の誤解を生むような数字や期日を不用意に(勝手に)決めたり発言したりすることは、政治に対する国民の信頼を著しく損なう結果になることを肝に銘じた政策態度・行動を、現政権に強く期待するところです。