これからの中国は何処へ行くのか
このところ中国がその権利の伸長慎重に大変積極的になっていることに世界中が神経をとがらせているようです。
南シナ海の九段線、香港の政策変更、台湾問題、日本に関しては尖閣問題などなどです。
中国は一体何を考えているのでしょうか。これは習近平さんに聞いてみないと解らないのでしょうが、現実の国際関係上の問題からしますと、なにか不穏な問題が感じられます。
中国の歴史を見ますと、4000年来中原の覇権争いが続いて来ていることが解ります。そして、第二次大戦後は、毛沢東が中国本土の支配を固めました。
第二次大戦の戦勝国として国連の常任理事国になった中国は毛沢東の下で、ソ連を見習い共産党一党独裁の区としての発展をめざしました。
しかしその頃の中国はまだまだ貧しい国で、共産党一党独裁で経済発展に資源を集中しようとしても思う様にはできず、毛沢東・フルシチョフの不仲などもあって、焦りもあったのでしょう、毛沢東は次第に困った独裁者に変質し、(権力は腐敗するの通り)文化大革命などに走り、中国の経済発展は頓挫することになりました。
毛沢東の死後、中国に経済発展をもたらしたのは鄧小平です。改革開放、社会的市場経済を掲げ、土地をはじめ財産の私有制を認め資本市議、市場経済を社会主義の中で認めるというミックス政策で、今日の中国を作り上げたのです。
そして、その経済的に巨大になった中国のリーダとなったのが習近平です。
優しそうなお顔で時ににこやかな表情で登場した習近平ですが、気になっていたのは、途中から長期政権化を狙いだしたことです。
毛沢東の時代とは大違いで、いま中国は、政治的には共産党一党独裁ですから、国の目的のためにという事になれば、巨大な経済力を権力によってその意に添ったように活用することが可能でしょう。
最近、習近平は、混乱した世界をきちんと治める」ためには民主主義などではだめで、今日の中国のような形でなければ不可能といった意味の発言をしているようです。
ご存知のように、今では習近平は生涯中国のリーダーとして君臨することが可能になっています。任期の撤廃を決めているのです。
「修身斉家治国平天下」ではありませんが、今の中国の、中央集権政治と、自由主義市場経済の組み合わせによる発展を、まず中国国内において実現し、その成果をベースに、その延長線上で、世界の覇権を握るというシナリオが習近平さんの頭の中にあっても当然なのかもしれません。
その理想実現のために、今、習近平は徹底して頑張っているのかもしれません。
しかし、そこには大きな問題が2つあるような気がします。
1つは、ごく個人的な問題で、毛沢東においても見られたような、独裁者、権力者の腐敗(老化?劣化?柔軟性の喪失)が起きないという保障はあるか。
もう1つは、リーダーがこのシステムがいいと思っていても、一度自由を知った人間(国民)が、それを認めるかどうか。
この2つがクリアされて、初めて、習近平の(中国のではありません)理想とする世界が完成するのでしょう。
恐らくそれは無理な話でしょう。という事になりますと、これからのプロセスにおいて大きなトラブルが起きる可能性は否定できません。
そうしたトラブルが起きないために、これから世界は中国のために何をしなければならないのか、超大国に独裁者が君臨する事のないような世界をどう作るか、何か大変なことのような気がしています。杞憂であれば有難い事ですが。