tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日中関係正常化を長期・広範な視野で

2018年10月24日 15時14分58秒 | 国際関係
日中関係正常化を長期・広範な視野で
 米中関係が種々の問題点を孕む中で、中国が日本に接近してきているとマスコミが報じています。
 安倍総理訪中も明日に迫っています。日本の総理大臣の訪中は7年ぶりだそうですが、隣同士で経済的には最も関係の深い両国なのに、7年ぶり? といった感じです。

 それだけ中国も阿部さんも「頑な」だったという事でしょうが、今回の関係の急転は、矢張り米中関係の険悪化の結果でしょうか。素人目にはそう映ります。
 しかし、改めて日中の関係改善のきっかけが出来たという事は本当に良かったと思います。これを機に、遣隋使、遣唐使の時代からの隣同士の国のより良い関係が確立されることを願う所です。

 漢字から箸の文化まで、日本は多くの文物を中国から導入し、日本的に咀嚼しつつ日本文化を創ってきました。日本の諺なども殆ど中国の故事から来ています。

 嘗て日本が中国の役に立とうとしたのは、列強が中国を食い物にしようとした時期で、孫文の日本亡命に象徴されるような関係も存在したのです。
 その後の日本は、大正時代にすでに 石橋湛山が指摘していたような日中関係の道を歩まず、大きな過ちを犯しました。

 第二次大戦後、中国は日本に対する賠償を放棄し、「恨みに報ゆるに徳を以てす」中国の諺どおり徳を示してくれました。
 その後中国の体制は変わりましたが、それは千数百年の日中関係の歴史の中ではごく限られた時期です。

 石橋湛山の思いを顧みれば、今日の状況は、日本は植民地政策などは放棄し平和憲法の国になり、中国は世界第二の経済大国に成長し日本の最大の貿易相手国となったわけですから、湛山の思いそのものが実現して来ているわけです。

 ならばこれからの日中関係はどうあるべきかでしょう。体制が変わり、共産党一党独裁になった中国は昔とは違うようです。しかし、アメリカとの摩擦が激しくなり、世界から中国の在り方が問われている難しい局面にあることもあり、中国が日本との友好関係を求めるというのであれば、日中関係の近代史の中で、田中・毛沢東、福田・鄧小平、の友好関係を受け継ぐ良い機会という事になるのではないでしょうか。

 すでに経済的には最大の貿易相手国です。今回も安倍訪中に、日本の財界人数百名が同行するようで、中国は大歓迎との由です。
 「愚公山を移す」ではありませんが、中国はもともと長期的にモノを見る国です。
一衣帯水の国であり、GDP世界第2位と第3位の両国です。腹を割って話し合い、アジアは勿論世界の安定的な発展に力を尽くす協力体制を築く様なあるべき構想を話し合うときでしょう。

 折しも、アメリカが世界の トラブルメーカーの役割を演じています。トラブルシューターとしての日本の役割を、中国と手を携えて、今こそ果たしてもらいたいと思うところです。
 先哲、石橋湛山もどこかでしっかり見守っているのではないでしょうか。