tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

消費税増税は国民のためにやるのでしょう

2018年10月16日 12時40分25秒 | 政治
消費税増税は国民のためにやるのでしょう
 やっと始動した安倍内閣の消費税増税への準備ですが、政府の態度を報道を通じて知る限りでは、政府が胸を張って「これからの国民の生活をより良いものにするための増税です」という態度は全く窺えません。

 全体的の印象は、何か及び腰で、「実施するかしないかは経済状況次第」とか「やるとしても、出来るだけ国民への迷惑を少なくするように」とか「何とか景気の落ち込みを避けるために」とかいった、何か国民の皆様に「ご迷惑」なことをやるのだからといった意識が見えてきます。

 現場が混乱・迷惑し増税の効果を減殺する軽減税率の導入、安倍総理の景気冷え込み対策の指示など、やりたくないことを無理してやっているのだからという感じで受け取られることばかりです。

 しかし消費税増税の本来の目的を考えれば、国民が安心して生活できるような日本社会を創るために増税をするのでしょう。安倍総理の言う、全世代型社会保障を実現するための第一歩としてやるのでしょう。なぜ国民に気兼ねすのか解りません。

 すでに全国知事会は10%への増税の確実な実施を求めると提言しています。このほうが国民の声に近いのではないでしょうか。
 前回も書きましたが、政府が国民に明示すべきは消費増税による税収分は全額社会保障のために支出するという明確な発言そして予算案での解り易い説明です。

 これをきちんとやれば、国民の負担した増税分は確実に社会保障の充実という形で国民に還元されることがハッキリします。国民が使うか、政府が使うかは違いますが、使われるカネは同額です。そして、政府が使った場合、それは社会保障に限られます。
 
 社会保障費は振替所得と言われます。例えは悪いかもしれませんが、競馬や競輪、パチンコやゲームセンター、将来はカジノでギャンブルに使われるかもしれないお金が消費税というシステムを通じて、社会保障に使われるというのが本来の振替所得の趣旨です。

 何で政府は及び腰になるのでしょうか。消費税増税による駆け込み需要、増税後の需要の低下は、2、3年を均せばどうという事ではないと解っています。今、消費税が8%で消費が冷え込んでいるのは、消費税のせいではなくて、社会保障への不信感からくる将来不安が原因でしょう。

 政府は、明確に「社会保障への信頼を取り戻すために消費税を増税するのです」と胸を張って言えばいいのです。賢明な日本国民は理解するでしょう。

 もし国民が理解しないとすれば、それは、消費税負担増が全額社会保障に回らず、政府の都合の良いように使われるのではないか、どこかで国民が損するのではないかといった 政府への信頼の欠如のせいかもしれません。

 もしそうなら、この問題は、軽減税率などで糊塗出来る問題ではありません。これまでの安倍政権の国民に対する態度の反映と受け取るべきでしょう。
 その意味では、今回は、安倍政権の信頼を取り戻すチャンスかもしれません。