tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

道遠い財政再建、国債金利は上がらない?

2016年12月26日 12時39分16秒 | 経済
道遠い財政再建、国債金利は上がらない?
 安倍政権は2020年に プライマリーバランスの達成を目指すと言ってきていますが、どうもその可能性は全くないようです。

 消費税増税を延期した際も、「 その影響は全くない」と強弁していましたし、GPIFが株で大きな損失を出した時も、 年金財政への影響はないと明言していたと記憶します。

 このブログでも、そうした問題は単純な計算の問題ですから、影響がないなどという事はあり得ないと指摘しましたが、2020年は毎年1年づつ近づくのですから、そろそろ、そんな強弁は通らないことがはっきりして来るようです。
 
安倍政権のモットーは「経済成長なくし財政再建なし」だった思いますが、経済成長が思うに任せないから財政再建はダメでした」で済むのでしょうか。

 今年も、国際投資資本の思惑でしょうか、前半は円高に振れて、株価も低迷、日本経済はごく僅かな成長にとどまり、法人税中心に税収が不足し、第三次補正で、2兆円ほどの赤字国債を追加発行しなくてはならないようです。

 日銀が、年間80兆円の国債を長期国債中心にゼロ・マイナス金利で買い入れて低金利を維持していますから金利が低いお蔭で国債費はそう増えませんが、金利正常化に踏み出したら、財政再建はまた、さらに先に延びるでしょう。これでは金利正常化には踏み切れません。

 偶々秋になってアメリカの次期大統領がトランプ氏に決まって、市場の思惑相場で円安になり、株も多少持ち直し、企業収益も回復の様相ですが、実際にトランプ政権が走り出して、何が起きるかはまだ誰にも見当がつかない様です。

 これでは財政再建はおぼつきません。安倍政権も、出来ないことをできると言い張るのはやめて、本当のことを語り、国民とともに、本気で日本経済と財政の先行きを論じたらいかがでしょうか。

 そうしないと、ゼロ・マイナス金利はいつまでも続けなければならなくなり、経済の正常化は遅れに遅れて、国民はますます将来不安に駆られるようになりかねません。消費はいつまでたっても伸びないでしょう。

 日本人ほどの資質と実力を持ちながら、為替レートが正常になっても、まともな経済に戻らないようなことで、これからもアベノミクスでいいのでしょうか。
 国民には本当のことを語ってもらいたいものです。