tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

バブルは起きている? バブルの見分け方

2016年12月20日 14時40分37秒 | 経済
バブルは起きている? バブルの見分け方
 1991年のバブル崩壊から傾向的に続いていた地価の下落、マンション価格の下落などが、この所、一部に多少変わってきたような様相が見られます。

 一般的には不動産価格は低迷状態の継続かもしれませんが、一部の中心市街地、立地の良い高層マンションなどは結構値上がりしているところもあるようです。
 不動産を証券化するREITなども注目される気配もあります。

 つい20余年前、バブル崩壊で大混乱をした日本の経済社会ですが、「喉元過ぎれば熱さ忘れる」でしょうか。

 背景にあるのは、勿論時間がたったということはありますが、そのほかにも、日本が土地・不動産バブルをやったころ、過密都市でも不動産価格が安定していると評判だったシンガポールやロンドンなどでもその後軒並み不動産価格が上昇、隣の中国でも不動産ブームで国づくりをしたようで、日本の不動産だけが異常に高いという状況が薄れてきたこともあるようです。

 そんなこともあってでしょうか、最近バブルかどうかを「どう見分けるか」といった議論があります。
 経験者の「バブルの最中は誰もバブルとは思わない」、「破裂して初めてバブルだったと解るのがバブル」などという解説もあったりしますが、では客観的に見て何か判断基準はないのでしょうか。

 極めて厳密に、かつ理論的に言えば、「使用価値より高い部分はバブル」というのが基本でしょう。使用価値とは、例えばそのマンションを貸せばいくら家賃が入るかという事ですから、家賃を払うより買った方がいいと判断されれば、バブルではないでしょう。

 勿論「使用価値」は個人々々によって違います。勤務先に至近だったら、その人にとっての使用価値は高くなります。
 リゾートマンションを買って、家族で四季折々にに利用して満足できれば、使用価値相当でしょう。

 問題は、リゾートマンションを買って、あるいは郊外に住みながら都心のマンションを買って、値上がりしたら売ろうという場合です。
 使用しないのですから使用価値はゼロで、値上がりしなければ損になります。
 しかし1年たったら値上がりして売ったら儲かったという場合、それが偶々良い買い手がいてというなら別ですが、それが一般的な状況になったら、バブルでしょう。

 つまり、使用価値は上がらないが、価格は確実に上がっていくといった状況がバブルそのものです。マンションや不動産の価値は、本来、長期的には、その使用価値に落ち着くものですからそれを超えて上昇するのが「一般的」になる状況が「バブル」なのです。

 もう一つ言い方を変えれば、不動産が、 キャピタルゲインの対象になってきたら不動産バブルの始まりという事も出来るでしょう。