tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

参院選の結果が今の民意・・・

2016年07月11日 09時18分49秒 | 社会
 参院選の結果が出ました。
  
 与党の大勝という感じでしょうか。参議院では自民党単独過半数に1人足りませんでしたが、与党に改憲政党・議員も加えれば3分の2を超えるというのが解説です。

 与党は 改憲を争点にしませんでした。一方、野党は積極的に争点にしました。そして、結果は与党の勝利でした。野党は争点隠しと主張し、改憲を最大争点の訴えましたが敗れています。

 安倍政権にとっては、野党が改憲を最大の争点に掲げたにもかかわらず敗れたことで、民意は改憲にありとの主張も可能になりそうです。

 一方、経済を争点にし、アベノミクスの成果を主張した与党は、今後の経済運営にかなり苦しむのではないでしょうか。40円幅の円安で不況を脱した日本経済ですが、この手法では格差の拡大は進む一方ですから、豊かになった日本経済の中で、困窮世帯が増加ということになりかねません。
 そのうえ、40円幅の円安のうち、20円は現状ではハゲ落ち、今後、日本の円安政策はかなり難しくなりそうです。

 経済政策が容易でない中で、安倍政権は、改憲問題に軸足を移す可能性もあるでしょう。国民投票までにはそれなりの時間のかかる問題でしょうが、3分の2という数を頼む政権が、これからまた、安保法制の時のような国会運営をするのを見たいとは、誰も思わないでしょう。


 アメリカの大統領選がどうなるかわかりませんが、イギリスの国民投票を見ても、今や、先進国の良識ある落ち着きや長期見通しに立つ安定性が、経済・社会の劣化にの中で、極めて短期的、短絡的な感覚を強め、近視眼的な感情に左右されるポピュリズムに引きずられるような事態が現実に見えています。
 そのような「近頃は、成熟国も未発達国に堕したのか」などと揶揄されるような状態だけは、「日本としては」避けたいと思うところです。

 縄文以来の日本の 「争わない」という伝統文化、物事は出来るだけ 長期的に考え、 人間の融和を最上の価値とする日本人の源流である的な精神構造を「ブレることのない」思考や判断の基盤として、日本人一人一人が熟慮していかなけらばならに時代が来たように思われます。