金融政策の副作用は金融政策では直らない
アベノミクスで日本経済は回復しているという政府の主張ですが、その背後で、金融政策は、ゼロ金利からマイナス金利へと不況時代の政策をますます進化させています。
万年赤字国のアメリカですら、何とか金融を正常化して、まともな経済循環に戻そうと金融緩和策の終焉、テーパリングから金利引き上げに向けて困難な努力をしていますが、安倍政権も日銀も、異次元金融緩和を進めるだけで、金融正常化の可能性については全く触れていません。
こうした政策の方向は、つまるところ、アベノミクスの成功は金融緩和によるところがほとんどだから、金融を正常化(引き締め方向)したら、忽ち不況に逆戻りするのではないかという恐れが政府・日銀にあるからでしょう。
しかも、金利を引き上げたら、政府の国債の利払いは大変なことになって、財政再建などは夢のまた夢になったらどうしようということもあるのでしょうか。
しかし、日本経済が、リーマンショックの緊急避難から脱出し、健全な成長軌道に乗ってきているというのであれば、いわば経済活動へのドーピングのようなゼロ・マイナス金利政策は出来るだけ早く終了していくためのシナリオを国民に示し、経済活動自体の正常化を目指すべきでしょう。
アベノミクスの中では全く論じられていませんが、金融政策による経済の活性化は、必然的に格差の拡大を齎します。格差の拡大は、また、必然的に消費活動の萎縮を伴います。
これは古い資本主義の中ではマルクスが指摘し、今の資本主義の中でもピケティが指摘している通りでしょう。
そして、この問題を解決することは「金融政策では出来ない」ということも明らかでしょう。金融政策の副作用を金融政策で是正することは本来不可能なのでしょうから。
前回も触れましたが、世界中で何か問題が発生するたびに、今回はイギリスのEU離脱問題ですが、折角、日銀の金融政策で実現した円安は、消されていく(円高進行)様相です。
現状では、国際投機資本は$1=¥120円は円安に過ぎる、 もっと円高にしてしかるべきと考えているように感じられます。
そうした環境の下では、ますます金融正常化などは政府として言い出せないことになるでしょう。
このジレンマからの脱出のためには、これまでも繰り返し書いてきていますように、国民の将来不安を解消するための政策(政策というより 政府の態度という方がいいのかもしれません)が必要とされているのでしょう。
「十分説明を尽くせば国民は解ってくれる」と安倍政権は言いますが、国民の意見を聞かず、自分の考えだけをいくら十分に説明してもそれは「洗脳」でしかありません。
日本国民は賢明ですから、その辺は本能的な段階ですでに解ってしまうのでしょう。真の意味で「国民に寄り添う」政権の態度が必要なのではないでしょうか。
アベノミクスで日本経済は回復しているという政府の主張ですが、その背後で、金融政策は、ゼロ金利からマイナス金利へと不況時代の政策をますます進化させています。
万年赤字国のアメリカですら、何とか金融を正常化して、まともな経済循環に戻そうと金融緩和策の終焉、テーパリングから金利引き上げに向けて困難な努力をしていますが、安倍政権も日銀も、異次元金融緩和を進めるだけで、金融正常化の可能性については全く触れていません。
こうした政策の方向は、つまるところ、アベノミクスの成功は金融緩和によるところがほとんどだから、金融を正常化(引き締め方向)したら、忽ち不況に逆戻りするのではないかという恐れが政府・日銀にあるからでしょう。
しかも、金利を引き上げたら、政府の国債の利払いは大変なことになって、財政再建などは夢のまた夢になったらどうしようということもあるのでしょうか。
しかし、日本経済が、リーマンショックの緊急避難から脱出し、健全な成長軌道に乗ってきているというのであれば、いわば経済活動へのドーピングのようなゼロ・マイナス金利政策は出来るだけ早く終了していくためのシナリオを国民に示し、経済活動自体の正常化を目指すべきでしょう。
アベノミクスの中では全く論じられていませんが、金融政策による経済の活性化は、必然的に格差の拡大を齎します。格差の拡大は、また、必然的に消費活動の萎縮を伴います。
これは古い資本主義の中ではマルクスが指摘し、今の資本主義の中でもピケティが指摘している通りでしょう。
そして、この問題を解決することは「金融政策では出来ない」ということも明らかでしょう。金融政策の副作用を金融政策で是正することは本来不可能なのでしょうから。
前回も触れましたが、世界中で何か問題が発生するたびに、今回はイギリスのEU離脱問題ですが、折角、日銀の金融政策で実現した円安は、消されていく(円高進行)様相です。
現状では、国際投機資本は$1=¥120円は円安に過ぎる、 もっと円高にしてしかるべきと考えているように感じられます。
そうした環境の下では、ますます金融正常化などは政府として言い出せないことになるでしょう。
このジレンマからの脱出のためには、これまでも繰り返し書いてきていますように、国民の将来不安を解消するための政策(政策というより 政府の態度という方がいいのかもしれません)が必要とされているのでしょう。
「十分説明を尽くせば国民は解ってくれる」と安倍政権は言いますが、国民の意見を聞かず、自分の考えだけをいくら十分に説明してもそれは「洗脳」でしかありません。
日本国民は賢明ですから、その辺は本能的な段階ですでに解ってしまうのでしょう。真の意味で「国民に寄り添う」政権の態度が必要なのではないでしょうか。