tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

人類は進歩しているのか

2016年01月05日 11時24分16秒 | 国際政治
人類は進歩しているのか
 年賀状の中に、世界は混乱の様相ですが、日本は平穏であってほしいという趣旨のものがありました。 「世界が全体幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」(宮沢賢治)の境地ならば、身近の平穏を実現し、世界の平穏を願うということでしょうか。

 しかし地球はますます狭くなり、混乱は世界のいたるところに波及していくのが今日の状況です。

 中国とアメリカは、覇権争いの様相を見せながら、経済的には一層深く結び付いています。
 トルコとロシアの問題では、ロシアの経済制裁発動はトルコが困ることを狙ったものでしょうが、ロシア自身も痛手を受けているようです。
 イランとサウジの断交では、イスラムのいわば兄弟国が共に困難や混乱に直面するでしょう。

 この狭くなった地球上で、人類は何ゆえにこうも争いを続けるのか。繰り返し触れていますが、加害者と被害者の関係、その意識の非対称性、「被害者意識>加害者意識」のせいでしょうか、人間の欲求のしからしめるところでしょうか。

 人間の欲求についての研究、A.マズローの「欲求5段階説」では、人間の欲求は、生理的欲求、安全欲求、といった原始的なものから、社会的欲求といった人間らしいのも、さらに、(他者からの)承認欲求、そして最も高次な自己実現欲求への進んでいくとしています。

 マズローは意識していなかったかもしれませんが、社会的欲求以降の欲求の進化のプロセスが、共存・共生の中で進むか、支配・被支配の中で進むかが、人類の将来を決めることになるような感覚さえ持つのが最近の状況です。

 COP21が端的に示しますように、人類は自然を征服しようとして大失敗をしました。自然から生まれた子である人類は自然と共生しなければなりません。
 そして人類は、自然と共生するのと同じように、人類同士も共存・共生することが当然のこととして要求されているのでしょう。

 1万年以上にわたる縄文時代、日本人は自然と共生し、支配被支配のない(奴隷制のない)社会を進化させていました。世界の各地にもこうした伝統文化は存在するでしょう。

 今人類の「本当の進歩」とは何か、世界中で考えることが、ますます大事のような気がしています。