tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

新入社員、仕事優先は半数切る

2015年04月28日 09時58分48秒 | 労働
新入社員、仕事優先は半数切る
 就職情報会社「マイナビ」の調査によれば、今年の新入社員は、「仕事優先の生活を送りたい」、「どちらかといえば仕事優先の生活を送りたい」の合計が、はじめて50パーセントを切ったそうです。

 ということで、増えたのは「プライベート優先」、「どちらかといえばプライベート優先」で、 両者の合計が昨年より4.6パーセント増えて53.3パーセントになったと報告されています。
 プライベート優先派は、今までも年々増えて来ていましたから、いつかは過半数というのは当然予想されたことですが、今年は増え方も大きかったようです。

 欧米ではもともとプライベート優先で、有給休暇完全消化が常識、日本のように有給休暇取得率が半分以下などいうことは想像もつかないという事のようですが、これも、それぞれの伝統文化、宗教の影響などといわれて来ました。

 日本人は働くことは良いこと、働くことは人間を成長させることと考え、「勤労」を貴んできましたが、失われた20年の中で、(それをいいことに)「無理な働き方」の強制が随分あったことなども、仕事優先減少の背景にあるような気もします。

 いずれにしても、自分の時間を「仕事」と「プライベート」に「どのように配分するか」を自分の判断で決めていけるようになる事は人間として大変大事なことでしょう。
 政府は有給休暇の取得を法律で強制するなどということまで考えているようですが、そんなことの必要ない社会になって来るようです。

 こうした調査では「仕事」「プライベート」の二元論にならざるを得ないのですが、現実の生活を考えてみれば、その間にはどちらか解らない領域も沢山あります。そうした多様な生活の中で、それぞれが自分で、自分の「ワーク・ライフバランス」を設計できるような「自主性の確立」がなされ、それを前提にした「社会構造」が出来るように考えるのが自然ではないでしょうか。

 そうした自主性の確立した社会の中で、日本人が、「働くということ」にいかなる意義付けをしていくかが今後本格的に問われることのような気がします。