tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

中国の「ニュー・ノーマル」

2015年04月17日 10時10分37秒 | 政治
中国の「ニュー・ノーマル」
 歴史的に見ても、世界最古とも言われる文字文明を持つ中国だけに、物事の名づけ方はなかなか巧いような気がします。

 10パーセント成長時代から7パーセント成長時代へ。「これは経済不振、成長減速ということではなく、新段階の成長の時代に入ったのだ」ということで、「新常態」とは巧く名付けたものだと感心します。
 
 13億の多様な人間が共存する中国ですから、国民全体の意識を変えていくのは大変な事でしょう。それには先ずみんなが不安などを持たず、納得する「言葉」が必要です。
 国際的に見れば、7パーセントは超高度成長でしょう。新常態へ巧く移行出来れば本音でご同慶の至りです。

 世界で最も小さい方の国シンガポールと世界最大の国中国は共に漢民族中心の多民族国家です。両国はともに高度成長を果し、短期間に先進国に上り詰めていくのでしょうか。シンガポールは先発の実験国家で、中国は超大規模でそれをなぞっていくのでしょうか。

 先日逝去されたリークアンユー首相の初期、シンガポールに行くと毎年「礼儀正しくしましょう」とか「標準語を使いましょう。方言は駄目」などといった横断幕が街中(国中)到る所に懸っていて、新しい国づくりに邁進しているなと実感したことを覚えています。 

 現地の友人は「われわれは日本を見ている」と繰り返していましたが、今、シンガポールは日本に対し「守破離」のプロセスを通過し、小さいながら押しも押されもせぬ一流の先進国です。

 シンガポールの成功を「啓蒙専制君主(enlightened tyrant)」の偉業という人もいますが、中国も共産党一党独裁の体制を取りながら、歴代のリーダーがその役割を果して行くのでしょうか。
 清朝末期、「開明専制論」が戦わされた歴史がありますから、中国のリーダーたちは、多分、その認識はお持ちなのではないでしょうか。

 中国という世界の超大国が脱皮を繰り返し、進化していくそのプロセスで、日本は何か貢献できることはないのでしょうか。それは、かつて中国から多くのことを学んだ日本の恩返しかもしれません。
 そのくらいの気持ちで、中国とお付き合い出来るといいな、などと感じるところです。