tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

改めて日本経済の立ち位置は

2015年04月04日 10時54分29秒 | 経済
改めて日本経済の立ち位置は
 位置を示すには縦横の座標が必要です。
 縦の位置は、日本経済の時系列推移、横の位置は、現状の世界経済情勢ということになるでしょう。

 ということで縦の位置から見て来ますと、丁度2年前の日銀による異次元金融緩和により待望の円安が実現し、デフレ不況の「失われた20年」時代は終了、さらに昨年の更なる金融緩和で$1=¥120円がらみということになり、日本の物価は国際比較しても高くないという状態に入り、アジアからの観光客の爆買いなどという現象まで出ました。
 
 輸出産業は為替差益で大幅増益、輸入サイドは輸入品の価格高騰、しかし価格転嫁はままならずでした。加えて消費増税という波乱もあって、混乱した国内経済も、漸く、価格転嫁はすべきという政府の意向も出され、多少便乗気味の(デフレ時代の価格の下げ過ぎの反動)値上げも次第に普遍化し、新年度からは消費増税の影響は一巡で消失、日本経済は正常化の道を進みつつあるようです。

 横の位置を見ますと、異次元金融緩和で先行したアメリカが出口を前にモタモタし、それを真似た日本に続いて、ヨーロッパンもアジア諸国も金融緩和に倣い始め、一時的には景気を保たせながら、実体経済の再建に努力中です。最も大変なのは、経常赤字の消えないアメリカと、自由経済に向けて構造改革途上の中国ではないでしょうか。

 日本はそうした中で、政府の債務過剰という問題はありますが、どちらかといえば、順調は実体経済の成長路線に進みつつあると言えるでしょう。
 日銀はインフレターゲットを口実(?)に金融緩和を続けていますが、「日本経済安定の基本は為替レートの安定」ということは十分ご承知でしょう。

 消費不振が言われる日本ですが、消費は雇用と高い相関がありますから、雇用改善で次第に回復するでしょう。あとは日本企業が、いかに消費者に魅力ある製品・商品を開発・提供できるかです。それが出来れば当然海外市場にも通じます。
 企業の開発力が最も問われているのが「今」ではないでしょうか。

 政府はその邪魔になるようなことをやらないこと、さらには国民に徒に不信や不満、不安を齎すような動きをしないことです。
 国民が安心してより良い明日を信じられるようにすることも、景気の先行き、実体経済の前進に必須の条件のようです。