tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

今、一発で景気が回復する言葉

2012年02月10日 11時00分42秒 | 経済
今、一発で景気が回復する言葉
 いろいろな方と、景気回復策についてお話をしている中で、もしこんなことが出来れば、日本経済は直ちに回復を始めるだろうというアイデアが出てきます。その中でも、ほとんどの方が、そう思っておられるものがあります。

 私も、昭和40年不況の折の「国債を発行します」という一声に匹敵するアイデアだと思います。あのときの、経済界、国民の反応がいかに劇的だったかをご記憶の方は、「そんな方法があるのなら、何としてでもやって欲しい」と言われるでしょう。

 勿体ぶらず、ざっくばらんに申し上げてしまえば、
「もうこれ以上円高にはしません」
という一言です。これほど日本の経営者を安心させる言葉はありません。もしそれでも、日本経済の回復は容易でないということであれば、日本経済は既に半分死に体で、ソブリンリスクにも、円の空売りにも対抗できないところまで堕ちているということではないでしょうか。まだ今のうちなら、これを聞いたら、多分、明日から景気は回復するでしょう。

 多くの方も、もちろん企業も、まだまだ元気を残していて、「円高の心配がないのだったら、何とでもやりようはあるよ。」と考えておられるのではないでしょうか。

 現状、なぜ元気が出ないのかというと、「頑張ってコストダウンすれば、日本経済は元気だからとまた円高になる。コストダウンするだけ円高になるのでは頑張る意味がない」、しかも円高になったからといって、どこにも文句も持って行きようがない、これで経営をやれと言われてもできるはずがない、外国に行くしかない、となるわけです。

 日本のコスト水準は、労使が決める前に円高によってきまる、国際投機資本は日本が頑張っているとみれば、際限なく円高にしてくる、というのが多くの企業経営者の現状認識でしょう。これでは経営計画も立ちませんし、企業の経営活動が成立する状況ではりません。元気が出なくて当たり前です。

 プラザ合意の時は、一応「円高OKと言ってください」という挨拶がありました。$1=¥240→120は予想外でしたが、日本人は10年以上かけて、コストを下げ、2002年には何とか目鼻が付き、「いざなぎ越え」が始まりました。当時、私も、これで苦難の時期は過ぎた、あとはまた頑張るだけ、と思っていました。

 しかし、リーマンショックで90円、ユーロ問題で75円。何の挨拶もなく、さらに4割のコストアップです。今後も全く予断を許しません。これでは経営者が日本国内で、責任を持って経営ができ状況ではありません。 経営者の皆さんはどうお考えでしょうか。