tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

80円の円安効果持続のために

2012年02月24日 11時35分18秒 | 経済
80円の円安効果持続のために
 白川総裁の発言は、予想以上の効果があったようです。ユーロ問題の落ち着きという援軍もあってかもしれませんが、株価にこれだけの効果があって初めてその効果に気付くといった様子が見られるような気がします。

 さすがにこのところ、円高の懸念が払しょくされたわけではなく、またいつ、円高に戻るかわからないという危惧から、株価も連日小動きにとどまっているようですが、この際、日本にとって、まずは80円水準の定着を目指して、円を安定させることを日本は望んでおり、それは世界経済のためになるという事を、日本政府は世界に積極的にPRすべきではないでしょうか。

 まずは、日本経済が実力以上の円高でデフレに呻吟することがいかに世界経済へのマイナスであるかを説明し、過度の円高解消で、日本が正常な経済成長体質を取り戻すことがいかに日本経済の世界経済への貢献を促進するか、そのための用意が日本にはあるという事を十分説明することでしょう。

 特にアメリカには、日本経済が活性化することがアメリカの利益に直接直つながることを理解してもらうことが、「アメリカが日本の単独介入に不快感」といったギクシャクした関係を改善するためにも必須でしょう。

 もともと為替レートというのは、その国の経済価値のベースですから、不安定に変動することがない方が良いことは明らかです。そうした最も基本的な経済の問題を十分に理解し尊重し合う風土を国際経済関係のなかに作りあげていかなければならないことは、いずれの国でも解っているはずです。

 マネー資本主義の跳梁を阻止しようというというG20などの試みも、原点はそこにあるはずです。
 まずは「思惑や疑心暗鬼による為替レートの過度な変動を防止することが世界経済の安定のために必要」という世論を喚起することも大変大事でしょう。

 日本政府のやるべきことはたくさんあります。そして今をチャンスにして、日本として世界に訴えるべき情報を明確に世界に向け発信することはまさに必要ではないでしょうか。

 そろそろ日本も受け身ばかりの外交から、世界に役立つことであれば、積極的に発信して世界の世論に問うようなことのできる外交に一皮むける時期ではないでしょうか。