tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

世界における日本の役割

2011年11月13日 22時29分13秒 | 経済
世界における日本の役割
 このところのTPPに関わる日米のやり取りを見ていると、何か情けなくなってくるのはわたくしだけでしょうか。あまりにも受け身の態度が本当に情けないと思います。

 日本は本来、平和憲法を持ち、国連中心主義を掲げ、世界の安定と平和を希求し、世界に役立つ国を目指していたのではないでしょうか。
 平和憲法を持ち、武器輸出をしないことを国是としている日本は、日本の得意技である「経済面における貢献」さらに「技術面における貢献」ということで、世界への貢献をやってきています。

 これは、今まで大きな実績を上げ、アジアを中心に、途上国の経済発展に、かなりの実績を積み上げてきたと考えても、独りよがりの過大評価だと批判する国は少ないのではないでしょうか。

 これは日本的経営といった「経営技術」の面でも明らかです。すでに“KAIZEN”や“5S”は国際的にも定着した言葉になっていますし、アメリカから輸入したQC(統計的品質管理)を作業現場におけるQCサークル活動に展開し、TQC,TQMに進化させて、それがアメリカに逆輸入されて「6シグマ」になったことは、多くの方々がご承知の通りです。

 今回のタイの洪水で明らかになったことも、いかにタイが日本からの企業誘致、技術導入に熱心であるかを物語っているようです。タイだけではありません。アジアの多くの経営管理者は、それなりに評価していてくれているというのが私の偽らざる感触です。

 その上に実は、日本は、世界の中でやらなければならないことがあるはずです。それは「平和憲法を持っている日本」だからこそできることで、「世界各国は争うことを止めよう」という明確なアピールをあらゆる場合に、日本の国是として、常に発信し続けることです。

 端的に言って、アメリカと中国は、TPPを巡ってあからさまな鞘当てをしているようです。
 その中で、日本はアメリカに行けばアメリカにいい顔をし、中国に行けば中国にいい顔をしていればいいのでしょうか。

 アメリカと中国が世界の覇権を争っても、世界にとって決していい結果をもたらさないでしょう。アメリカも中国も、さらにはロシアもEUも含め、最終的には、国連という組織を育てることによって、人類全体の平和と繁栄を考えるのが最も良い方法だということはだれにも分かっていることでしょう。

 改めて言いますが、国連中心主義を掲げ、平和憲法を持つ日本だからこそ、言い換えれば「腕力がないからこそ」どこの国に対しても、あるべき姿を言い続けることができるのではないでしょうか。
 国と国との争いが起こるとき、多くの場合、経済的な問題が根底にあります。今明らかに、経常赤字から脱出できないという深刻な経済問題(アメリカ、EUの経済的困難の真因)を多くの国が抱えています。

 そうした中で、日本は、いかなる役に立つ率直な助言ができるのか、まずこのあたりに日本の役割があると自覚して、各国とお付き合いすることが、今の政権政党に求められていることではないでしょうか。