tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

TPPと円高

2011年11月11日 11時26分28秒 | 経済
TPPと円高
 野田総理がゼスチャーかどうか知りませんが、TPP参加の発表を1日延ばすといって、今日の予算委員会で論議をやっているようです。

 もともと、決定の延ばすのではなく、決定はしていて、発表を延ばすということであれば、あんまり意味のないことでしょうが、反対や懸念がいかに多いかを示すのにはいいのかもしれません。

 その中で、TPPで関税撤廃というが、日本の問題は、関税撤廃よりも円高だという意見がありました。
 まさにその通りで、10年先に関税が撤廃されて、日本製品が売りやすくなる、外国にしてみれば、日本製品が関税分だけ安くなるといっても、その時に、円がいくらになっているかの方がよほど問題だということでしょう。

 経験的に見れば、円は対ドルでプラザ合意で240円から120円と2倍になり、サブプライム・リーマンショックで90円になり、その後、ギリシャ問題などで、ガタガタと75円まで来てしまっています。
 
 大体、世界で一番すぐれているといわれる日本のハイテク製造業でも、一番困っているのは、世界中で何か起こると、日本経済自体がないも変わらなくても、それが円高になって跳ね返ってくるので、経営の見通しも計画も全く立たないという問題です。

 例えば、今後10年や15年は、日本経済が何か大きく変わらない限り1$=¥80ぐらいで変わらないという見通しが立つならば、日本経済は急速にデフレを脱却し、成長経済に向かって進むでしょう。日本も世界も、それで大きく裨益するはずです。

 しかしアメリカもヨーロッパも心ひそかに円高を望んでいるようで、先日の日本の円買い介入も、単独介入で、欧米が協調介入に踏み切ってくれる気配は全くありません。

 TPPと円高は、表面的には全く関係ないのかもしれません。しかし、アメリカも日本を巻き込まなければ、経済回復ができないというなら、1995年の時のように、円高阻止に、積極的に協力するぐらいの態度を示したらいかがでしょうか。

 アメリカもマネー資本主義に狂って、実体経済の見方を忘れ、他人の懐を当てにするようなことを、本当に反省する時期に来ているのでしょう。
 それをアメリカに直言するのが野田総理の役割なのではないでしょうか。