tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

改めて、人間中心、長期的視点の経営を

2008年12月17日 20時19分54秒 | 経営
改めて、人間中心、長期的視点の経営を
 本来の日本的経営は「人間中心」で「長期的視点」に立った経営といわれてきました。もちろん、企業というのは人間がやることですから、「人間中心」というのは、ある意味では当たり前でアメリカのように「資本中心」というのが、実は異常です。心も意思もない「資本」が中心などということはありえないので、「資本中心」といいながら、実は「資本に関わって利得を得る人」中心ということ他なりません。

 日本では、こういうことはとうに解っていますから、人間が中心で、人間というのは「企業の労使」だ、ということがはっきりしていたわけです。株主はというと、有限責任でお金を出して、経営は経営者に任せたわけですから、直接企業経営に口出しはしないということになります。
 
 株主は、出来ればリターンが大きいほうがいいですから、株主総会で経営者に何らかの注文はしますが、経営については株主より経営者の方がプロですから、多数の株主の良識で、理不尽なことは抑えられているという形で、バランスが取れるのが一番いいのでしょう。

 こういうバランスの中に、いわゆるファンドが入ってきて、むき出しの株主の利害を、会社の長期的な成長などは無視して、主張しても、日本では、なかなか受け入れられなかったというのが現実です(ファンドの敗北 )。

 このブログで「 経営者革命」についても書きましたが、人間中心、長期的視点の経営をスローガンにした日本的経営は、本来、世界標準になるべきものなのでしょう。

 資本中心のアメリカ式経営が馬脚を現してしまった今、時間をかけて人を育て、その人が企業の発展を支え、企業が長期的に発展し、企業の継続した発展が一国経済の発展を支え、社会全体が時間はかかっても着実に豊かになり、安定した雇用によって、それが個人、家庭に配分されるという、戦後日本企業が作り上げてきた企業のあり方を、改めて経営の基本にすえるべきでしょう。