非正規雇用の比率
今いろいろな意味で問題になっている非正規雇用について、量的な側面から少し考えて見ましょう。
非正規雇用は1985年のプラザ合意の前には、雇用者全体の15パーセント程度でした。それが1990年には20パーセントを超え、2000年には25パーセントを超えて上昇を続け、2007年には33.5パーセントに達し(総務省:労働力調査)、非正規雇用が3人に1人以上といわれることになりました。その後少し下がったようです。
実は非正規雇用が20パーセントぐらいまでは、何も問題はありませんでした。当時言われたのは、
「価値観が多様化している今日、多様な働き方が認められるべきで、働きたい時に、働きたい形で働けるような仕事のスタイルを増やすべきだ。」といったもので、某デパートの、働きたい時に働ける「サムタイマー」などはそうした声に応えるものでした。
当時、日経連が提唱した「雇用ポ-トフォリオ 」も、「働く側の柔軟に働きたいという希望と、企業の柔軟な仕事の仕方のマッチしたところに」パートなどの柔軟型雇用が生まれるという趣旨の考え方が述べられています。
ところで、前回のこのブログでも触れましたが、こうした非正規(柔軟型)雇用が職を失った途端、ホームレスに直結といった問題を防ぐために必要なことはなんでしょうか。それには、
「非正規従業員は、たとえ職を失っても、帰る所がある」 というのであればそれほど深刻な問題は起こらないでしょう。出来るだけそういう状態を保つべきで、そのためには非正規の割合を20パーセント程度でとどめるよう、企業も良識を発揮して努力すべきです。
労働力調査等で見ても、非正規が2割ぐらいまでであれば、ほとんどは主婦と学生、農業に従事する季節労働者などでしょう。こういう方々には帰る所があります。
失われた10年、企業はコストダウンに必死だったため、已むに已まれず非正規を増やしし過ぎた、というのは今の企業の反省でしょう。一方、仕事さえあればなんでもいいという働く側の已むに已まれずの選択もあったでしょう。
各種統計(労働力調査、学校基本調査、労働費用調査・・)などで見る限り、最近の状態は、企業の反省の上に立った雇用正常化への「ゆり戻し」の傾向をはっきり見せていました。そこに今回の世界不況の追い討ちです。
今年の春の労使交渉では、このあたりの本質的な解決策を、労使が本音で協力して探し出す努力が必要なのではないでしょうか。
今いろいろな意味で問題になっている非正規雇用について、量的な側面から少し考えて見ましょう。
非正規雇用は1985年のプラザ合意の前には、雇用者全体の15パーセント程度でした。それが1990年には20パーセントを超え、2000年には25パーセントを超えて上昇を続け、2007年には33.5パーセントに達し(総務省:労働力調査)、非正規雇用が3人に1人以上といわれることになりました。その後少し下がったようです。
実は非正規雇用が20パーセントぐらいまでは、何も問題はありませんでした。当時言われたのは、
「価値観が多様化している今日、多様な働き方が認められるべきで、働きたい時に、働きたい形で働けるような仕事のスタイルを増やすべきだ。」といったもので、某デパートの、働きたい時に働ける「サムタイマー」などはそうした声に応えるものでした。
当時、日経連が提唱した「雇用ポ-トフォリオ 」も、「働く側の柔軟に働きたいという希望と、企業の柔軟な仕事の仕方のマッチしたところに」パートなどの柔軟型雇用が生まれるという趣旨の考え方が述べられています。
ところで、前回のこのブログでも触れましたが、こうした非正規(柔軟型)雇用が職を失った途端、ホームレスに直結といった問題を防ぐために必要なことはなんでしょうか。それには、
「非正規従業員は、たとえ職を失っても、帰る所がある」 というのであればそれほど深刻な問題は起こらないでしょう。出来るだけそういう状態を保つべきで、そのためには非正規の割合を20パーセント程度でとどめるよう、企業も良識を発揮して努力すべきです。
労働力調査等で見ても、非正規が2割ぐらいまでであれば、ほとんどは主婦と学生、農業に従事する季節労働者などでしょう。こういう方々には帰る所があります。
失われた10年、企業はコストダウンに必死だったため、已むに已まれず非正規を増やしし過ぎた、というのは今の企業の反省でしょう。一方、仕事さえあればなんでもいいという働く側の已むに已まれずの選択もあったでしょう。
各種統計(労働力調査、学校基本調査、労働費用調査・・)などで見る限り、最近の状態は、企業の反省の上に立った雇用正常化への「ゆり戻し」の傾向をはっきり見せていました。そこに今回の世界不況の追い討ちです。
今年の春の労使交渉では、このあたりの本質的な解決策を、労使が本音で協力して探し出す努力が必要なのではないでしょうか。