tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

金融資本主義の行方

2008年12月27日 17時50分28秒 | 経済
金融資本主義の行方
 子供の頃読んだ童話にこんなのがありました。

 ある小さな国で、王様が小さなピンクの貝殻を「お金」に使うことを決めました。きれいで、なかなか無い貝殻なので、巧くお金の役割を果たしていました。
 しかし、ある時、国中に、「ある谷にいって川を掘ると、その貝殻が見つかる」ということが知れるようになりました。
 そこで国中の人が、だんだんその谷に集まって貝殻探しに血眼になり、誰も畠で作物を作る人がいなくなりました。
 作物が獲れなくなってその国は滅びました。

 どうしてこんな童話を覚えているのか、自分にもわかりませんが、この童話は、私に、「お金」というものの意味を、大変わかりやすく教えてくれたので印象に残ったのでしょう。

 「お金さえあれば」と誰しも考えますが、買うものが無ければ、お金は無価値です。ですから、お金さえあればというのは、「誰かが自分の欲しいものを生産してくれている」という前提のものでしか成立しない考え方です。

 資本主義が高度化すると、金融資本主義になるという意見は昔からあって、アメリカはそれを実践したようです。
 世界の工場といわれるような国が地球上のどこかにあれば、それで、アメリカはすべて巧くいくと思ったのでしょう。

 金融資本主義というのは本当に地球という「小さな国」を幸せにするのでしょうか。今回は、世界中が金融資本主義になる前に、アメリカが自分で転んだだけのことですが、物事の本質はやはりみんなに見えてしまった、ということでしょう。