トランプさんが再度アメリカの大統領になってまだ半年にもなりません。しかし、アメリカは世界最大のトラブルメーカーになってしまったようです。
この短い期間に、トランプさんの当初の発言によれば、ロシアのウクライナ侵攻の問題も、パレスチナとイスラエルの紛争もキレイに片ついて、あとは貿易不均衡の問題だけになるはずだったのです。
アメリカ国民も、世界の多くに人達も、トランプさんが何か他の人ではできないような事をやってくれる(かもしれない)と思ったのでしょうか。
しかし現実は、そんなに簡単ではありませんでしたそんな神通力や魔法のようなことはないのです。
トランプさんは、自分の思ったようにいかなければ、相手が悪いといって済ませます。結果、ウクライナとも、ロシアとも、ヨーロッパとも関係にひびが入り世界中がぎくしゃくしてきています。
アメリカ国内もそうです。アメリカのまともな学者や研究者・知識人もトランプ流では物事の解決にはならないと批判的な意見が多くなっています。
そしてとうとうアメリカの司法が、トランプさんの関税政策の一部は大統領の権限でできる事ではないという判断を下しました。
しかしこれに対しトランプさんは、国の方針を決めるのは大統領の仕事であって、司法には国を動かす責任はないと、司法の意見を一蹴することになりました。
この立法と司法の対立がどうなるかは解かりません。トランプさんは何事もディールと考えているようですから、司法ともディールで対応するのかもしれませんが、国民としてはやはり不安であり心配でしょう。
アカデミアとの対立も深刻になっているようです。ハーバード大学が標的のようになっていますが、歴史上、為政者が学術の分野と対立するのは、ほとんどが独裁者の場合で、国の衰退の原因になっています。
さて、アメリカ自体がこうした混乱の中にあり、世界の混乱の中心にもなっているという状況の中で、アメリカと最も親密な関係にある日本はいかなる態度でアメリカと接するかというのは、ますます重要の問題になりつつあります。
選択の基本方針は大きく2つあると思います。
一つは、アメリカはこうして衰退していくのだから、出来るだけ敬して遠ざけるという、漸進的アメリカ・パッシングの方向でしょう。
もう一つは、今のアメリカは問題でも、アメリカは世界に必要な重要な国であるべきだから、出来るだけアメリカが誤らないように協力しつつ諫言もしつつ付き合うという方向でしょう。
結果的にどちらが正しい選択だったかは、アメリカ自体の今後の思考・行動によりますが、現状では、アメリカのためを考えながら、出来るだけ率直にアメリカと付き合うといういわば諫言者の態度でしょう。
偶々ですが、日鉄とUSスチールの問題があります。トランプさんもご執心で、日米関係が凝縮されたようになってしまったこの問題、行方を確り見守りたい感じです。