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tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

トランプさん日本にも不満のようですね

2025年03月07日 19時55分25秒 | 国際関係

そのうち、必ず出て来るだろうと思っていたトランプさんの日本に対する不満が、言葉になって出てきました。

前回のトランプ政権の時も、日米安全保障条約の片務性に言及、日本に駐留している米軍の経費を払えなどと言い、「思いやり予算」の支払額が解って、多少納得したようでしたが、防衛装備品の購入などの要求はその後も続いたようです。

今回は、改めて日米安全保障条約に関し「米国は日本を守らなければならないが、日本は米国を防衛する義務はない」という発言のようです。

これは、平和憲法を掲げる日本にとっては、極めて重大な発言です。

本来、アメリカは日本が戦争を放棄し、自衛以外の戦争はしないことを容認したうえで、日米安全保障条約を結んでいるのでしょう。

そうしたことから、日本サイドから見れば、不平等条約を思われる点も多く、逆に日本サイドから、その是正を申し出なければならないといった意識を、多くの日本人は持っていることは、ご承知の通りです。

「アメリカ・ファースト」という人は、文字通りで、すべて、アメリカが気にいらない事は許せないと言うのでしょう。

ウクライナが、地政学的な理由から、運悪くロシアの侵攻の対象になった時、自由世界は、ウクライナが自由世界の最前線になって共産主義独裁国の膨張から自由世界を守るために、国民の命まで犠牲にして戦ってくれているという感謝の気持ちをもってウクライナの援助が大事と考えたと思います。

しかし、今のアメリカは、ウクライナのへの援助は、損得勘定(ディール)でウクライナから取り返すのが当然という気持ちが強いようです。

若し、ウクライナの一部をロシアに割譲することになれば、国連憲章の、「力による領土の拡張は認めるべきではない」という認識は空文になり、世界は第二次大戦以前に戻るのです。トランプさんの頭の中は、その辺りがどうなのか不明です。

いずれにしても「アメリカ・ファースト」といっても国連憲章を逸脱するべきではないでしょう。 

今のアメリかは、自由世界のために人的犠牲まで払って専制主義国家と戦っているウクライナへの感謝の気持ちは無いのでしょうか。

過日のトランプさんの演説も、まさに自画自賛の満載文で、自画自賛する人はこのブログでもリーダーに選んではいけないと書いていますが、理由は、自己中心で、他人の心や痛みが解らない人で、リーダーにすると危険だからです。

恐らく、これからもいろいろと日本に対して注文を付けて来るでしょう。戦争をしない日本は、大変得をしている。その分をアメリカに払えというのが基本的な考え方でしょう。有事には戦争をしてアメリカを助けるべきだというのが本音と思われます。

日本には、特別扱いがあるとか、日本は平和憲法を掲げる国だからという考え方は、トランプさんの頭の中では合理性を持たないのではないかと思われます。

そうだとすれば、これからのアメリカとの付き合い方は、日本にとってはかなり難しくなるようにと思われます。

はっきり言ってしまえば、アメリカはアメリカの事を中心に考えているのでしょう。日本は、世界のこと、人類社会の事を最重要と考えているという基本スタンスから絶対ぶれないようにしながら、アメリカの将来のためを思う行動が上手く取れるでしょいうか、日本の外交力が問われるようです。


異色の戦争終結策はどうなる

2025年03月01日 15時36分52秒 | 国際関係

華々しいファンファーレと共に動き始めたアメリカのトランプ政権です。

独特な発想と派手な立ち居振る舞いで、世界の関心を集め、21世紀の今日、世界が心配している2つの戦争の終結に向けて、素早い見事な解決の可能性を感じさせてくれたのですが、残念ながら、そう簡単ではないようです。

パレスチナ問題は、何とか6週間の第一段階は無難に過ぎたようですが、第二段階、ガザからのイスラエル軍の撤退は、更なる、当事者同士の譲歩を要求することになるのでしょう。

戦争の終結とは、どちらかが完全に戦争の目的を放棄する(失う)、実質的降伏か、双方が戦意を破棄する(失う)講和が通常ですが、我々が受ける多くの情報のからの判断では、イスラエルはガザの制圧・殲滅を目指すことをやめる気はないように感じられます。

ウクライナ問題では、ロシアの領土拡大意欲は、ほとんど変わらないようで、ロシア自体は領土拡大ではなく「領土の回復」と強弁という立場です。

これ迄の推移をみると、トランプさんがこんな戦争はすぐ終わらせて見せるといった「秘策」はガザについては、アメリカが取り上げて管理し、素晴らしいリゾート地帯に再開発して見せようという政策だったのでしょう。

ウクライナについてみれば、レアアースの膨大な資源国であるという情報をひっさげて、ロシア、ウクライナ双方と協力して巨大な資源開発を行い、それにアメリカが過半を出資して権益を得る。ロシア、ウクライナ両国にとってもその方が戦争するよりよほど良いはずだというそれなりに合理性のある政策だったのでしょう。

このブログでは不動産業の戦略で国際紛争を収めるという、まさにトランプさんならではの構想と考えていました。

こうした、トランプさんの発想は、国際社会にとっても重要で、大事にしなければと思いますが、現実の国際情勢の中では、付随する問題も沢山あります。

ガザの問題では住民の移転問題が発生します、アラブ諸国にお任せすると言っても、容易ではありません。ウクライナの問題は、国境線変更は国連のルールで、力による変更は出来ません。平和裏にそれを可能にしようと各国首脳と話し合っても、独裁者としての力を持つネタニヤフ、プーチン両首脳と意を通じようと努力した過程で、ガザの住民やゼレンスキー・ウクライナ国民は納得しないとなったようです。

結局現状は、徹底した独裁国ロシアの顔を立てて期待した譲歩はなく、副産物としてアメリカとヨーロッパの意識の分断を生んだところで、今後に多くの懸念を残す踊り場でしょうか。

「アメリカ・ファースト」を掲げて、困難な国際紛争の解決にまで挑戦してみても、解決は容易でないことを、改めて、見せつけられた感じです。

勿論、今のアメリかがトランプ色一色に塗り潰されているとは思いません。国連組織を通じて、国際社会の安定発展に努力する人たちも沢山いるはずです。

トランプさんのような発想も生かしつつ、独裁者の誤った判断が、国際社会を紛争や混乱に陥れることの無いような、世界の人々の日常を回復したいものです。

戦争を経験した人、戦争の実態をテレビで見ている人は、戦争は破壊と殺戮だけで、人類社会の発展を逆走させるものでしかない事を、よくご存じのはずです

これはら改めて、独裁者と戦争の関係を強く認識させるものではないでしょうか。


日本の特異性を生かす時代

2025年02月27日 15時53分08秒 | 国際関係

今回のトランプ劇場では、トランプさんは七変化とはいかないまでも、観衆の驚く変わり身を試み、観衆があんぐりと口を開けたままで、未だ固唾も呑めない内に舞台から消えて、「アメリカ・ファースト」のトランプさんに戻って、あの独特な署名を書き続けているのでしょうか。

元々、トランプさんは「世界の警察はやらない」と明言し、アメリカの大統領だから「アメリカ・ファースト」で当然という立場でしょうが、それとは別にトランプ劇場を作って、そこで主役を演じることは大好きなのでしょう。

主役を演じた結果がどうなるかと問われても、その時はもう「アメリカ・ファースト」のトランプさんで、「皆様も自国・ファ-ストでどうぞ」のようです。

問題の当事国のゼレンスキーさんは、あらゆる知恵を巡らし「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」と努力の限りを尽くしているようですが、トランプさんの方は、これからはすべて「ディール」で、という事になるのでしょう。

もちろん、日本も主要な観客の一人ですから、日本のリーダーや有識者は、これから何を学べるのか、学ぶべきなのか、と高度な思索を巡らしているのではないでしょうか。

日本のリーダーは、アメリカこそが最も大事な国とアメリカ詣でを重ねていますが、その割に、アメリカから痛い目にあう事が多いようです。

今の日本には、対ロシアでは北方領土問題、対中国では台湾有事の場合に日本は何をするかという事で、国内の政治家、有識者の間でもいろいろな意見があって、日本としての在り方が国民の望む方向に収斂という状態ではありません。

ですから当然のことながら、多くの市井の日本人は、不確かな国際情勢の中で、国家の直面する重要問題についての進路の選択に悩んでいるのではないでしょうか。  

という事であれば、今回のトランプ劇場の観客であったゆえに得られた情報、知識や疑似体験をいかに生かすかを、出来れば本気になって確り考えておく必要があるという事になるようです。

その際本当に大事なことは何でしょうか。日本が自由主義圏、民主国家の単なる一員であれば、アメリカをはじめ、仲間の多くの国々は、日本に対して特に配慮をする事はないでしょうし、日本も特段の意識を持つこともないでしょう。

しかし現実は、日本は違うのです。日本が自覚すべきことは、日本は特異な国であるという特異性を明確に意識し、世界に発信し、その実績を大切にし、外交の全ての行動の中で、それを常に掲げ、諸外国に理解を得ることでしょう。

考えてみれば、歴史的にも、文化的にも、日本の特異性は種々あると思います。

しかしここで指摘は、唯一、「日本は不戦を誓い、平和憲法を掲げた国であり、第二次大戦後の80年、平和憲法を守り続けてきている」ことです。

この点においては、日本は世界史を100年、200年先取りしてきているのです。日本は世界のどの国に対しても、戦争という形で加害者にはならない国なのです。

そしてすでに80年にわたって、それを実践してきた国として、日本は世界の中で特異な国なのです。

幸いにして、世界の多くの国は、日本の実績から、それを認めてくれています。そして日本は、より多くの国が、この点において日本に倣ってほしいと考えているのです。

こうした日本人の心と行動を、常に堅持して、国内外の問題に対応することが、これからの日本にとって、ますます大切になるようです。


不動産業の発想を世界地図で?

2025年02月06日 15時27分42秒 | 国際関係

ベイルートはレバノンの首都です。カルロス・ゴーンさんが、安楽な余生を楽しもうと選んだ場所です。今もベイルートの豪邸にお住いのようですが、居心地は如何でしょうか。

地中海をどんどん奥に入っていくと一番東の突き当りがレバノンです、その首都ベイルートは素敵な都市で、昔から「地中海の真珠」と呼ばれていたことは若いころベイルートの新聞を読んで知っていました。

そのベイルートから海岸沿いを南に降りて行けば、今大騒動のガザ地区です。

そのガザ地区の紛争を何とかしようと考えて、常人では思いも付かないような破天荒な方法を真面目に発表しているのがアメリカのトランプ大統領です。

マスコミの報道からですから、彼の発想の原点も、考え方の筋道も、最終結果の構想も、量り知るところではありません。

しかし、マスコミ情報と、当方の浅知恵で考えて見ますと、一国の中で、資金量の豊富な不動産企業の経営者や、住民同士のトラブルに手を焼く行政などだったら、そんなことも考え付くのではないかと思ってしまいます。

立地条件は最高の場所ですが、住民同士のトラブルで全く開発が進まないような物件があれば、カネと力のある不動産業主であれば、トラブルばかり起きて、近所迷惑で地域開発にも大きな支障になっているような土地は、差し当たってウチが買い取って更地にして、その上で立派な再開発をして素晴らしい街に仕上げてやるから、先ずはウチに任せなさい、といってくるのではないでしょうか。

近所迷惑が酷ければ、行政の手でそういう困った場所は収用して市民の誰もが楽しめる公園にします、というのは香港の九龍城だったでしょうか。

勿論、トランプさんは、アメリカは、カネは出さないといっていますし、一国の中ではなくて、世界地図の上の問題ですから、不動産業者による再開発のようにいくわけはありません。

国民(住民)と祖国という関係は、国際法に関わる問題で、それに民族問題が絡まればすでに国連のグテーレス事務総長からも、ガザをアメリカの所有として、住民を排除するのは民浄化浄化の問題も孕むといった意見が出ています。

背後にある大きな問題は、十字軍以来の宗教間の対立、パレスチナとの関係を曖昧にしてイスラエルという国を建国した第二次大戦後の経緯などでしょう。

しかし、今日、イスラエルとパレスチナの平和共存の問題は、世界のほとんどの人が希望するところでしょう。

その歴史的にも解決困難な問題に、一石を投じたという事は地球人類にとって、何らかの意味を持つのかもしれません。

これがより合理的な方向での解決策のヒントになるかどうか、国連も否定するだけではなく、トランプさんの真意を質すべきでしょう。

トランプさんも、これが、アメリカの国益ばかり考えてのものではなく、アメリカが、最終的に、いかに世界に役立つかという立場での提言であることを明確にすべきでしょう。

それが出来て、アメリカの国際的な地位が高まり、アメリカが「偉大な国」と言われる事に大きく貢献するのではないでしょうか。


ガザの停戦合意、一層の進展を望む

2025年01月17日 13時52分30秒 | 国際関係

1月15日、ハマスとイスラエルがガザでの停戦に合意したというニュースが入ってきました。

何か世界中がホッとした感じを受けましたが、その後の進展は容易でないようです。イスラエル軍のガザ地区への攻撃は、その後も続いているようですし、イスラエル政府の正式承認の手続きも、必ずしも順調ではないようです。

停戦の合意のニュースは、ガザは勿論、イスラエルの人々も歓迎と報じられていますが、為政者の、特にイスラエル側の為政者は、必ずしも心から歓迎という様子ではないような感じも受けます。

停戦の合意の中身は、1月19日から6週間、42日。その間に人質の解放を進め、停戦から16日の間に、その後についての合意を得るというという事になっているようですが、まだ予断をうるさない情勢のようです。

しかし、ガザの停戦は世界の世論の望むところですし、バイデン大統領の努力、カタールの仲介の進展と、トランプ次期大統領の、1月20日の就任までに解決するという発言など多様な動きの中で進んでいるということで、特に、イスラエルのネタニヤフ首相の支援者と言われるトランプさんの影響は大きいようです。

世界中のほとんどの人々が心を痛めているガザとウクライナという地球上の2個所の戦闘状態について。トランプさんは早期に止めさせるという自信を口にしていますが、トランプ流の解決方法でも、人間同士の破壊や殺戮が解決するのであれば、それは大きな前進という事も言えるでしょう。

今回のガザの停戦も、トランプさんは自らの手柄と自賛しているようですが、この動きが暫定的な停戦から本格的な戦争の終結に繋がれば世界にとって最も望ましい事でしょう。

しかし、そこまでの到達は、現実には至難の業のように思われます。もともとネタニヤフ首相は、ハマスの殲滅を望んでいるように見受けられます。おそらくパレスチナの地は、旧約聖書によれば、ユダヤ人に与えられた約束の地だという事で、それが本来の姿だという事でしょうから、そういう人間が一国のリーダーになっているという問題は、今日の民主主義の原則に従えば、イスラエルの人たちが、そういう人を選ぶのか、それとも人類社会の平穏な所謂多様性の共存を認める人を選ぶのかによって決まる問題なのでしょう。

イスラエルの人たちがネタニヤフ氏をリーダーとして選び、トランプさんが、イスラエルを支援するアメリカのリーダーとして、ネタニヤフ大統領を強力に支援するという関係ならば、この問題の本質的な解決はかなり困難なのではないでしょうか。

ハマスにしてみれば、これ以上の破壊とパレスチナの人命の損傷は避けたいという意味で停戦に合意したとしても、人質の変換が終了した後に何が待っているかという巨大な危惧の払拭は、恐らく不可能でしょう。

トランプさんが、いかなる判断で停戦の成功を自賛しているのかは解りませんが、トランプさん、ネタニヤフ首相、ハマスの人々の間に、「みんな同じ人間なのだ」というような意識が生まれる可能性はないのでしょうか。


<笑話>「独裁度指数」の再録です

2025年01月04日 11時06分42秒 | 国際関係

以前ご覧になり、ご記憶の方には申し訳ありませんが、今回は大分前に書きました「独裁度指数」の再録です。

「独裁度指数」:22世紀の笑話

アインシュタイ ンは「第三次、第四次世界戦争は解らないが、第五次世界戦争は確実に石と棍棒での戦いになるだろう」といったそうです。

核戦争の恐ろしさをブラック・ジョークにしたものでしょう。
本当か作り話か知りませんが、アインシュタインが言ったといえば、そんな気がしないでもないところです。

話は22世紀に飛びますが、そんなことにならないようにと、とある研究組織が、世界各国の「独裁度指数」という数字を発表することにしました。

その研究組織の発表によりますと、
いろいろな研究機関が、世界各国の生産性や、国民の満足度、ジェンダー平等の度合い、デジタル化などのランキングを発表しているが、もっと世界の役に立つランキングを考えてみましたというのです。

考えたことは、歴史上、戦争を起こしているのは独裁者が殆どだから、国のリーダーが独裁化する事に十分注意しなければいけない。

国のリーダーが独裁化することがないように、我が研究組織では、世界の国々の政権の「独裁度」を示す指数を作成し、ランキングを発表することを決定したのだそうです。

指数は、~59:問題ない、60~69:トラブルを起こしやすい、70-79:しばしばトラブルを起こしている、80~89:問題を深刻化させる恐れがある、90~:危険な国、という事になっていて、いろいろ問題はあるでしょうが、世界の平和のために思い切って発表を決めたというのです。

これを聞いて世界では、無関心な人や国から、関心あるという反応、馬鹿な事はやめろという意見、絶対やめろという強硬な態度までいろいろな反応がありましたが、その第一回が発表になりました。

結果は9割の国が60未満で、残りの10%の国が60~100の間に散らばっていました。

世界からの反応は、あまり大きくありませんでしたが、上位10%の国からは多様な反応がありました。

相手があるからトラブルが起きるという言い訳じみたものから、当事国間で解決に努力しているという現状報告などはいい方で、わが国のランキングは高すぎる釈明と謝罪を要求するというもの、更には、我が国を侮辱することは許さない貴研究組織の存在を認めないというものまでいろいろでした。

そこで、研究組織は、考慮の末、その反応を正確に文書にして発表し、その内容を指数の検討項目に加えて、新たな指数を作成して発表しました。結果は多くの人が予想した通りで、指数の高い国ほど指数がさらに高くなっていました。

この発表によるトラブルは簡単に収まりそうにありませんでしたが、これまで横眼で見ていた国連が調整に出ました。

22世紀には、国連も民主主義の基本である『多数決』の原理を尊重するようになっており、安全保障理事会も、国の数を増やし、多数決が原則になっていました。

この数十年で、国連の役割は強化され、21世紀より人類社会の中での権威が増し、信頼感を持たれ、頼りにされるようになっていましたから、問題は収拾の方向に向かいました。

世界の国の独裁度ランキングを発表した研究組織については、そうした仕事は、国連としても関心があるから、国連外郭にそうした研究機関を作ることも考慮し、独裁度指数のランキングを発表した研究組織の人間の中で、希望者がいれば、国連で採用することも可能いう事になったそうです。

という事で、先ずはメデタシ、メデタシ。


イスラエル・ヒズボラの停戦合意を大切に!

2024年11月28日 16時39分12秒 | 国際関係

2024年11月27日朝4時(現地時間)、9月から続いていが続いていたイスラエルとヒズボラの間の戦闘の停戦が合意されました。

60日以内にイスラエルはレバノン領内から撤退、ヒズボラは戦闘地域から戦闘員と武器を引き揚げ、戦闘地域はレバノンの管理に移すことになったのです。

アメリカのバイデン大統領の努力をはじめ、フランスの協力、イスラエルと対立するレバノン、そしてイランも、合意の意思を表示、バイデン大統領は「これは恒久的な停戦を目指すもの」と付け加えたとのことです。

「戦争は人の心の中で始まる」とは、ユネスコ憲章の前文にある言葉ですが、「人の心の中で」の「人」というのは〈一国の〉リーダーを指すのでしょう。

そして同時に、戦争をやめさせ、やめるのも「リーダーの心」にあるようです。

イスラエルの後ろ盾と言われる、アメリカのバイデン大統領は、その強い意志と影響力を行使し、イスラエルのネタニヤフ首相の「襲撃を受けたからには、相手を殲滅するまで戦いはやめない」という異常な敵愾心の抑制に成功、停戦を成功させたのです。

戦争が終われば、そこで文明の破壊と人間の殺戮は止まるのです。そしてこの戦争で失われた多くの命の追悼、生活の場所を追われた一般の人々の正常な生活に戻るのです。

しかし、いまだに、イスラエルはパレスチナ、ハマスとの闘争を続け、ロシアはウクライナへの侵攻をやめる気配はありません。人類に残された問題まだまだあるのです。

人類社会は、数限りない戦争を体験し、多くの人々が惨禍にさらされ、破壊と殺戮の中で苦しんできました。その経験は、人類に、平穏な生活の大切さと、人類の文化文明の発展の大切さを多くの人類に理解させてきているはずです。

今回のバイデン大統領の決断と努力、その決断を支えた人々、そしてそれを良しとして受け入れた人々は基本的に、人類の一員として正しい判断をしたのです。

何故なら、人間は元々その本能として生存欲求を持ち、その上に立って社会を作り、その社会の進歩、向上、発展を求めるという性格を持っているからです。しかるに、戦争は結局、破壊と殺戮という人間本来の性格とは正反対の現実しか齎さないからです。

これまで、地球上で、戦争が繰り返され、それが破壊と殺戮という人類社会の退行を生んできたのは、人類社会の一部のリーダーの心に、邪な欲望が生れ、その実現のための手段として、人の手による破壊と殺戮を利用するという恐ろしき妄念・邪念が生まれたことによるのでしょう。

もともと人間の心には、倫理的でない要素もあるのでしょう。そうした人間の心に内在する部分の発露が、歴史的には、征服や殺戮という「争いの文化」として広がることになりました。しかし、人間は同時にあくなき向上心も持ち、それが、より高等な「競いの文化」を築き上げ、人類世界の進歩の原動力になったという事でしょう。

「競いの文化(オリンピック)」は古代ギリシャの時代から「争いの文化(戦争)」に優先すると考えられていました。

今、人類は早期に「争いの文化」を人類社会から消去し、「競いの文化」こそ人類に相応しい文化とする地球社会を作るべく最大限の努力をする必要があるように思うところです。


関税積上げより大事な仕事があるのでは?

2024年11月27日 17時18分51秒 | 国際関係

トランプさんは大統領就任前から「私はこうします」と政策方針を一杯だし、もう大統領をやっているようです。

特に、MAGA(アメリカを再び偉大に)のスローガンは、アメリカ経済を再び世界一立派にという経済政策が中心のようです。

その中でも真っ先に手を打つのでしょう関税の話が次々出てきます。

やっぱり一番気にしているのは貿易赤字で、アメリカは世界中から物を買って各国の役に立ってやっているのに、彼らはアメリカから物を買わない。おかげでアメリカの貿易はいつも赤字だ。といった気持ちは強いようです。

以前から、アメリカは日本の車を沢山買っているが日本はアメ車を買わないといいます。日本人が乗りたくなるような車がないからといっても解ってくれないようです。

今は、問題の相手国は中国で、現政権も安価な中国製電気自動車(EV)には100%の関税、その他EV関係の部品・原材料、半導体関連にも高率の関税を決めていますが、トランプさんは、さらに一律10%の関税を上乗せするといっています。

今回は、メキシコ、カナダからの輸入品に(薬物の輸入が止まるまで)25%の関税をかけると言い出しています。

メキシコには、トヨタ、日産、ホンダなど日本の自動車産業も工場を持ち、対米輸出の拠点にもなっています。

勿論日本の自動車産業はアメリカにも工場を持っていますが車種によってはより人件費の安い所で生産という選択もあります。

トランプさんは、もともと企業経営者ですから、赤字が気になるようで、まずアメリカの貿易赤字を消すために、アメリカ産石油を掘りまくれなど発言したりしますが、これは気候変動政策への逆行という事で心配されるところです。

ところで「アメリカを再び偉大な国に」というのは、先ず、赤字国を黒字国に転換するという事でいいのでしょうか。

確かに、1960年代にはアメリカは黒字国で「バターも大砲も」と言われ世界に君臨出来たのですが70年代に入ったころには経常赤字が慢性化して(ベトナム戦争のため)ドルの金兌換をやめ、変動相場制を世界に採用させることになったのです。

その後、レーガン大統領は、対日赤字を消そうと日本に円高を要求しました。日本経済は衰退しましたが、アメリカは黒字にはなりませんでした。前回のトランプ政権は、中国に人民元高を迫りましたが、中国は「ノー」で、関税戦争になりました。

しかし、イーロンマスク氏のテスラは売れてマスクさんはアメリカ一の億万長者になっています。世界一の新興企業もGAFAのように沢山あります。

それでも、今の状態は昔と違って、アメリカの技術水準や生産力が世界でも圧倒的という時代ではなくなっているのです。テスラも上海に工場を作っていますが、結構苦戦しているようです。この問題は、関税を動かすだけで相殺・解消できるほど単純ではないでしょう。

今、アメリカの分断が言われますが、アメリカの素晴らしい先進国部分と、今や途上国にも似て来た部分の『合衆国』が嘗ての「偉大さ」を取り戻すことは容易ではないでしょう。

若し、今のアメリかが「アメリカの栄光」を取り戻せるとすれば、それは、今の世界が最も望んでいる事、「世界の平和に役立つ」という全く「新しい形」で、アメリカの優れた「外交力」を駆使し、世界の共感と共に、その実現に邁進することではないでしょうか。


人類はこの所の経験から何を学ぶか

2024年11月14日 16時00分21秒 | 国際関係

先日、古い友人に久しぶりで会って話をしているなかで、「イスラエルとパレスチナは酷い事になってしまって、世界中心配しているが、歴史から見れば、この問題には終わりはないんじゃないか」と言われました。

十字軍の歴史から、連綿と続くキリスト教とイスラム教の争いは、一旦終わっても、また何らかの形で再発するのではないかというのです。

それでも今の争いは早く終わってほしいねと言うしかないという事になりました。

そんな会話に触発されて少し考えてみました。

確かに宗教上の対立、抗争、紛争というのは、歴史的にみれば、いくらでもあります。キリスト教の中でさえも、カトリックとプロテスタントの争いには北アイルラアンド紛争の例もあるのです。

しかし、こうした宗教上の争いも次第に少なくなってきているというのが現実でしょう。キリスト教国とイスラム教でも、平和共存、協力し合っている例の方が多いのではないでしょうか。もちろん草の根どうしでは平和共存が通常でしょう。

その意味では人類は歴史から学び、人類社会の進歩・発展を阻害する紛争や戦争は次第に少なくなっていると言っていいでしょう。

それなのに、この所、なぜか対立、抗争、戦争が増えてきています。このブログでも時に触れますが、地域紛争が拡大し、第三次世界大戦になるのではないかという危惧すら感じられるようです。

勿論最大の問題はロシアとイスラエルと言えるのでしょうが、これは必ずしも宗教の問題ではなく自由圏と専制(独裁)国という思想上の問題でもあります。

この他にも、北朝鮮の韓国との対立、北朝鮮のウクライナへの派兵、アジアではさらにミャンマーのクーデターによる軍部独裁政権問題などもあります。

こうした問題発生に共通な要素を上げてみますと

・宗教や思想の対立

・独裁者(権力の個人への集中)の存在

・領土拡張(資源獲得)願望

の3つが重要な要素であることが知られます。

ただし、宗教や思想の対立だけでは戦争には発展しないでしょう。独裁者の存在だけでは内戦まででしょう。領土問題だけではせいぜい部分紛争程度まででしょう。

ところが、この3要素が揃った時はほぼ確実に戦争の可能性が大きくなるのではないでしょうか。

人類がみな地球上で平和裏に文化・社会の進歩・発展を謳歌していくためにはそれぞれの国がこの3要素が併存することが無いよう確り努力することが必要です。

この3つの要素が偶然に揃ってしまうといった事は多分起こりえないでしょう。起こるとすれば、それは国民の無関心、怠惰といった不徳が一般化する中で、ある程度の時間をかけて独裁者が生まれ、独際者の権力の浸透する中で残る2つの要素、宗教や思想の違い、領土の回復や拡大という対立を生む要素が、国民の中に次第に共通なものとして認識される退行現象が起きた時ではないでしょうか。そして、そのプロセスでは、独裁者によるメディアの支配が大きな役割を果たすのでしょう。

いま、世界には、このプロセスが進行している国もあるようです。それを阻止する役割の中心は国連でしょう。

具体的な例を1つ挙げてみましょう。国連憲章には「力による国境線等の変更は認められない」ということが明記されています(憲章2条4項)。

ロシアのウクライナ侵攻問題で、早晩この問題に関わる議論が起きるでしょう。その場合、国連は世界の支持を得て、憲章を貫徹しなければなりません。

それが貫徹されれば、前記3要素のうちの1つが亡くなるでしょう。当然その後戦争は大きく減少するでしょう。

加えて言えば、世界各国は、独裁者を生まない努力を徹底することです。独裁者が生まれるのには時間がかかります。ですから、国民の注意と努力によって、早期に気付き、独裁者が生れない国作りに、常に留意する必要があります。そして独裁者が生れなくなれば、人類社会に、たぶん、戦争はなくなるのではないでしょうか。


アメリカは何処へ行く

2024年11月02日 12時26分19秒 | 国際関係

日本は今日から3連休です。3連休が明けて5日の火曜日がアメリカの大統領選挙の日です。

ハリス候補とトランプ候補、民主党と共和党の、まさに勢力伯仲と言われる中で、その決着がつく日です。

事はアメリカだけではありません。世界の覇権国であるアメリカの選挙ですから、その結果は世界に大きな影響を及ぼします。

折しも世界は第二次世界大戦以来の混乱の時期にあります。ロシアのウクライナ侵攻からすでに3年がたとうとしています。

さらにパレスチナ問題は、ハマスの突然の攻撃に対し、イスラエルは、これを機と見たようにハマス殲滅、さらにはパレスチナ排除もと思わせるような徹底した報復攻撃で、戦線はレバノンにも広がり、イランにまで飛び火する情勢にあります。

加えて最近の報道では、トランプ候補の前大統領の時代、トランプ劇場ともいわれた北朝鮮との直接対話があったことも忘れられたように、北朝鮮の兵士がロシアで訓練を受け、対ウクライナ戦線に派遣されるという異常なる風雲急の事態にあります。

世界人類が頼る国連が、安全保障理事会常任理事国のロシアの暴挙以来、これらの人類社会の混乱にほとんど無力である中、頼りにするのはアメリカとも言われる中です。

当のアメリカの選挙戦は、どちらかというとアメリカの国内問題への関心が圧倒的で、いかにアメリカのインフレを抑え雇用を増やし、アメリカ経済を強くするかが関心の中心であるようで、そうした真剣な議論が中心なら内向きでも健全でしょう。

ところが、端から見てもどうにも心配なのは、世界のリーダーのアメリカの選挙戦にしては、議論の内容がいかにも低次元で、トランプ候補の「アメリカを再び偉大な国に」という抽象論に大衆が熱狂したり、具体的な政策論はかみ合わず、相手の中傷や、最後には発言の言葉尻をあげつらう「ゴミ議論」になってしまったりしている所です。

どちらが勝っても、アメリカが自国優先という基本には変わりないとしても、現実に政策の実行を担う人たちには、世界トップレベルの理論家や活動家がいるので、安心という面もあるのかもしれませんが、かつてのトランプ政権の時代のように、周囲に本当に優れた人たちを集めて活用するよりも自分のスタンドプレーがお好みのトランプさんの登場には、この際アメリカが世界のトラブルメーカーになったら大変という危惧が先に立つという見方の人も多いでしょう。

端的に言って、北朝鮮の核開発問題にしても、イランの核開発問題にしても、当時のトランプ政権は、国際的にみて何の貢献もできず、状況のさらなる深刻化をもたらしただけという事だったようです。

今、世界が各地で混乱状態を増している中で、必要とされるのは、トラブルシューターなのです、この上にトラブルメーカーが出て来たのでは、本当に、第三次世界大戦が世界に惨禍をもたらすという事態を招きかねないのではないでしょうか。

世界の覇権国をもって任ずる国は、世界人類社会のガバナンス維持のリーダーとして,世界で最も頼りになるトラブルシューターでなければならないのです。

今回の大統領選挙で、アメリカにはその点が試されているという意識を持ってほしいと思う所です。


被団協のノーベル賞受賞と日米関係

2024年10月12日 12時04分57秒 | 国際関係

被団協のノーベル賞受賞、本当に良かったと思います。普通なら、「おめでとうございます」という言葉を使いたいところですが、原爆という背景を考えますと、「おめでとう」という言葉は何か使いにくい気がします。

今、ロシアがウクライナ問題で核の使用をほのめかす発言をしていますが、こうした人類としてあるまじき態度に対し「頂門の一針」ともなってほしい受賞です。

日本人として誇りに思うのは、被団協に典型的なように、アメリカの原爆投下に対して、日本は、怨念とか報復といった言葉を全く言っていないことです。

原爆の悲惨を唯一の被爆国として経験しながら、そこから導かれる発言、行動は、核廃絶という人類共通の主張だけです。

アインシュタインもオッペンハイマーも何等かの形で反省の言葉を述べているようですが、日本は、「過ちを繰り返さない」ことだけを人類に訴えているのです。

2016年の現職のオバマ大統領と被爆者代表坪井直さんの握手と対話、あの世紀の和解は、人類のあるべき姿を世界の人々眼に焼き付けたはずです。

アメリカと日本の関係は、あの人類の将来を最大の課題とする認識に立つ和解の姿にあるのではないでしょうか。

現実には、冷戦の中で、アメリカは日本に核の傘を差し出し、日本はその下に入りました。しかし、日本は非戦を憲法で謳う平和国家です。たとえアメリカの核の傘の下にいるとしても、日本は独立国として、核廃絶を目指す独立国なのです。

しかし、これまでの日本は、核の傘の下にいることをあまりに強く意識しすぎているのではないでしょうか。

世界の多くの国は日本が核禁条約を批准していないことに疑問を持っています。多くの国や人々が、世界で唯一の被爆国である日本こそが、核禁条約をリードすべきではないかと考えているでしょう。 

人間関係では日本人は「控えめ」という意識、習慣を大事にしています。これは日本では美徳のように考えられていますが、それは国内、つまり日本人社会の中での話で、国際社会では「控えめ」でないことが要求されるのです。

会議での積極的な「発言」は、でしゃばりではなく、積極的な「貢献」なのです。より良い考えを持っていたら、控えめでなくリードするのが正しい行動でしょう。 

被団協の行動はまさにその実践であり、今日の極めて混乱した状況の中で、人類全体のために、そのあるべき姿を明確にする活動を一貫して続けてきていることが評価されたと考えるべきでしょう。 

日本人は、そして日本政府は人類社会、国際関係の中で、その将来についての望ましい姿、選ぶべき方向について、積極的に発言し行動するという姿勢、態度でアメリカとの付き合い方も考えていく必要があるように思います。

これは、今回の選挙においても十分に考えるべき問題ではないでしょうか。


分断は闘争に繋がり、友好は平和を作る

2024年10月03日 15時22分35秒 | 国際関係

前回は、石破総理の持論と言われる「アジア版NATO 」については封印して、いずれ廃棄してしまうのがいいでしょうという趣旨のことを書いたつもりです。

マスコミも、不用意にこの話を持ち出して、世界から誤解される事が無いように気を付けってほしいと思っています。

日本は平和憲法を掲げ、非戦をはっきりと打ち出している国です。そして、戦後の世界の中で、多くの国際関係を持ちながら、行動の基本は、すべての国と友好関係を保つというものであることを実践してきています。

この日本の在り方は、戦後79年を経て広く定着しつつあると思われます。これからも日本は、その更なる定着、それによる日本への信頼の獲得を目指して、一貫した行動をとるべきだと考えています。

個人の場合でも、国の場合でも,基本的には同じだろうと思いますが、こうした認識の定着というのは些細な不信感でもあれば簡単に崩れてしまうというものでしょう。

「千里の堤防も蟻の一穴から」、些か下品ですが「百日の説法屁一つ」という諺もあります。

日本にも、防衛庁があり、自衛隊もあります。しかし、これは自然災害も含め予期せざる問題が起き自衛の必要が生じる場合への対応という事になっています。

決して、敵を特定しているものではありません。日本には敵はいないのです。

こうした考え方は、日本人には素直に受け入れることが出来ますが、世界には敵を作ることによって、自己の存在意義を確立するという考え方の国やリーダーは大勢います。

リーダーは、敵を作り、国民に被害者意識を植え付けて、自分への支持を固めるという手段をよく用います。

歴史に「もし」はありませんが、ゴルバチョフがソ連を解体し、東西冷戦が終わったと言われたとき、NATO・アメリカが、すかさず、ロシアに新生民主主義国として友好の積極策を取れば、ウクライナ問題はなかったかもしれません。

中国のリーダ-は、迷っているかもしれませんが、そういう時ほど分断ではなく、協調、友好の姿勢を貫くことが、平和と安定の基本でしょう。

リーダーはともかく、国民のほとんどは平和と友好を望んでいるのです。戦争を起こすのは、何時の時代も、限られたリーダーとそのグループの自己満足という欲求の結果なのです。日本もそれは経験済みです。

さらに言えば、戦争は経済的に苦しくなった国のリーダーが起こすことが多いことは知られています。 

経済は多様で、広範な国や地域が協力することで発展することも広く知られています。ならば、経済協力は戦争を防止するために極めて有効な手段、成果を期待できる活動という事が出来るのではないでしょうか。

そういう意味で、一国のリーダーが、被害者意識を持つことは極めて危険で、それは分断と敵対、そして抗争、戦争行きの列車のプラットフォームに立っている状態と考えるべきでしょう。

先ず、最近問題の多い中国との友好関係がどこまで回復、改善できるかが「試金石」ではないでしょうか。


石破新総理の何が一番問題か

2024年10月02日 14時43分48秒 | 国際関係

石破新総理が誕生しました。

自民党総裁に決まってから、テレビのニュースのたびに、石破さんの映像が映るのですが、些か奇異に感じたのは、その表情でした。

これまでの石破さんは、テレビに映っても、何かを語るような場合には、常に慎重で、極めて思慮深い顔をし、問題の難しさを真に認識しているという口調で、理論的に事を述べるという印象でした。

ところが、自民党総裁に決まってからの石破さんの表情は全く違って、何か子供の様な無邪気な笑顔が多く、総裁選任が心から嬉しそうな映像が見られました。

個人的にはこうした表情が見られるのは楽しいのですが、この自民党の半崩壊状態の中で、総裁になり、当然すぐに難問の山積する日本の総理大臣に就任という事になるのですから、その重責を考えれば、あの思慮深い顔にさらに額のタテ皺、真一文字に結んだ口といった厳しい表情が刻まれるだろうとの予感は霧消してしまいました。

昨日、組閣を終え総理大臣に就任したわけですが、10月27日の総選挙日程の発言も考え方も、現実の行動も、自民党の在り方を厳しく正そうとする姿勢もどこかへ行ってしまったようで、「随分変わった」という驚きや批判の声が、野党だけでなく与党の一部からも聞こえて来たようです。

組閣の人選についても、多様な問題があちこちから指摘され、ついには、石破さんは総裁就任から違う石破さんになった、などという揶揄発言すら出ているようです。

9日の衆院解散まで、石破さんがどちらの顔でテレビに映るのか、これからはっきりすると思いますが、どうなのでしょうか。

ところで、安倍政権の後半から菅さん岸田さんと迷走を重ねた日本の政治を、迷走責任者の自民・公明連立政権で立て直すのは「至難」か「不可能」かと思いながらこれからニュースを見ることになるのでしょうが、石破さんが前から言っていることで、大変重要で大きな懸念となることがあります。

それは、石破さんの持論だそうですが、「アジア版NATO」という構想です。

裏金問題や経済政策といった問題は、いずれも国内の問題であり、政治が国民とともに真面目に考える様になれば、正される問題です。

しかし「アジア版NATO」になりますと、これは、アジア諸国を巻き込んだ問題です。

これに対しては、ネットは冷ややかで、「アジアの国々の状況をみれば、そんなもは出来るはずがない」 といった見方が多いようですが、真の問題は「平和憲法を持ち、非戦を掲げる日本が、そんなことを言い出したら、世界にとんだ誤解を与える」という事ではないでしょうか。

「アジア版」という事は、誰が考えてもそれは「アジア諸国と中国の対立」を意識したものという理解になりましょう。

それは本来の日中関係とは駆け離れた、まさに「平地に乱を起こす」構想以外のなにものでもありません。

中国と日本は、千数百年の長い相互依存の関係を持ち隣人であり友好国でなければならい間柄の国です。

戦後は「周恩来=田中会談」以来の友好関係で、故石橋湛山首相が予言したように、経済もそしてスポーツも、ともに発展してきた間柄ではなかったでしょうか。

ここで下手に間違えると、悔いを千載に残すことになるでしょう。石破総理に、何をおいても、歴史観を誤らないようにして頂かなければならないと思っています。 


国連は能くその役割を果たしうるか

2024年09月25日 19時47分22秒 | 国際関係

日本時間の昨夜からニューヨークの国連本部で国連総会が開かれ、一般討論演説は、日本時間の昨夜10時から始まっているとのことです。

日本からは上川外相が出席していますが、ウクライナとパレスチナで悲惨な戦闘が行われている中、紛争の当事国どうしの激しい議論が予想されるとニュースは伝えています。

恐らく世界人類の中の多くの人が、ロシアのウクライナ侵攻、ハマスのイスラエル急襲、それに対するイスラエルのガザ地区を中心にしたパレスチナに対する徹底しすぎるほどの反撃さら、ヒズボラのイスラエル奇襲、イスラエルの報復行動としてのレバノン空爆といった戦火の広がりに悲痛な感覚と人類何ゆえ戦争に走るのかという痛恨の思いで平和を願っていると感じているところです。

恐らくニュースが伝えるように、当事国どうしの激しい論議がなされつつあるとおもいながら、本来平和を尊ぶべき人類の一部に、こうした過ちが起きる時、平和を願って果たすべき国連の役割の不全に、人類としての慙愧に耐えない気持ちを持つのではないでしょうか。

勿論、国連総会は議論の場であって、実力行使の場ではありません。あくまでも平和の維持を最重点とする中で、人間どうしの話し合いによってすべての問題に対処することが最も大事なことです。

本来であれば、国連総会が人類社会のガバナンス維持のための最高決定機関であり、安全保障理事会は、国家や人類の安全を保障するために国連がとるべき必要な事を議論する国連の中枢機関でしょう。

その点からいえば、イスラエルとパレスチナの問題は、国連がその権限においてあらゆる可能な手段を講じ、解決の可能性のある問題でしょう。

現に、その努力は積極的になされているようですし、今回の国連総会でもその方途などがさらに本格的に議論され、少しでも解決に近づく事を期待したい所です。

しかし、ロシアのウクライナ侵攻問題は、あえて侵略を企図した国が国連安全保障理事会の決議に拒否権を持つ常任理事国5カ国の1つであるという極めて異常な性格を持ったものです。

つまりロシア自体がこの侵略戦争をやめるといわない限りこの戦争は続く可能性が大きいのです。

恐らく今回の国連総会でも国連の開祖の議論はおきるでしょう。このブログでもすでに、国連の最高の意思決定機関は国連総会であるべきではないかという考え方も指摘しています。

自ら戦争を始めた国は、安全保障に逆らう国として、安全保障理事会における常任理事国の地位を失うという考え方もあるでしょう。

いかなる組織、システムが国連の理念の照らして正しいかという議論は、もっともっと進められるべきではないでしょうか。

そして最後に残る問題、正しいルールを決めても、「いかなる方法で実効性を持たせるか」が最後の問題として残ることは、誰にも解っているのでしょう。そしてそれが人類に残された最後の課題でしょう。

今の国連総会で出来ることは,「これが正しい在り方ではないか」という所までの議論かもしれません。

しかしそうであっても国連が、世界が納得できるような結論、国連の新しい在り方を十分に議論することであり、出来るだけ早く結論に到達、採択することでしょう。

そしてそれが、平和裏に順守されれるまで、人類が何世代かかっても、実現するためのレールを、誤りなく敷くことではないでしょうか。


戦争で平和が実現した例があるか?

2024年08月30日 15時02分31秒 | 国際関係

「平和」は世界人類の希求するところでしょう。

それなのに世界には戦争が絶えないのです。このパラドックスの原因になっているのが「平和を実現するために戦争をする。という論理です。

私も小学校の6年生の夏までその理論を教え込まれて「東洋平和のためならば、何の命が惜しかろう」と歌って、平和のための戦争だと思っていました。

後から解ってみれば、やっていたことはアジア諸国での殺戮と破壊でした。300万人を超える日本人の犠牲もありました。

プーチンのウクライナ侵攻も。ウクライナ東部の人たちをナチスの圧政から解放し平和な日々を実現すると説明されていたようです。

ネタニヤフのハマス殲滅作戦も、危険なハマスがいなくなれば、イスラエルの平和は実現するという理論のようです。

この理論には問題が2つあるように思われます。

1つは、平和のためだと言って戦争をしている間は殺戮と破壊が続くという問題です。この間の殺戮と破壊は、将来の平和のために容認されるのかという事になりますが、それは許されることではないでしょう。

もう一つは、戦争をして勝てば、その後の平和が保証されるのかという問題です。報復という問題は考慮されていません。 

第一の問題は、人間としての正常な思考過程からすれば、理由は何であろうが殺戮と破壊は許されないという事なのではないでしょうか。

平和の実現のためには平和な手段で事を行うのでなければなりません。勿論交渉に持ち込むために戦争を仕掛けるといった行動も許されるものではないでしょう。  

これが国際的な行動の原則になれば、まず戦争はなくなるでしょう。

そして更に重要なのは、第2の問題です。

歴史を見てみれば、大国から小国まで興亡の歴史はいろいろあるでしょうが、ヨーロッパでもアジアでも、その他のいかなる地域でも、「結局、戦争はなくなりました」という歴史はないようです。

原爆という最終兵器が生れて、これで戦争はなくなるかとも思われましたが、お互いに原爆は使わないだろうという暗黙の前提を置いて、通常兵器で戦争をしようということで戦争をしているというのが現状です。

多くの場合戦争は勝てば驕り、負ければ恨みを残し、結局、報復の連鎖を生むことが歴史の示すところです。宗教や思想の違いが絡むと、この報復の連鎖はさらに深刻となる例も多く見られます。

また恨みはなくとも、戦争に勝つことで、主権が握れると考え、内戦やクーデターに走る人間を生み出します。

戦争に勝つことで平和が生まれるというのは多くの場合、戦争を正当化するための口実で、理論的にも経験的にも、ほとんど無いのではないでしょうか。

若しあるとすれば、それは日本の場合です。

日本は太平洋戦争で敗戦した結果、世界から軍国主義の権化のように見られた国から、世界に先駆けて憲法で不戦を謳う「平和国家」になりました。そして戦後79年、戦争の殺戮、破壊とは無縁の国として着実に行動してきています。

日本に勝ったアメリカは、戦争に勝って平和な国をつくった成功の実績の再現をとその後いくつかの戦争をしましたが、すべて失敗に終わったようです。

成功の原因はアメリカではなく、日本にあったと考えられます。

その当事国、日本として「戦争で平和は実現されない」と(残念ですが)明確に発言すべきではないでしょうか。