プーチン大統領が、自分から言い出した「ウクライナとの停戦交渉」を欠席しました。
「停戦交渉」ですからプーチンさんが出なくても構わないのでしょうか、ゼレンスキー大統領は「トルコで待つ」と宣言し、トランプさんも都合がつけば行ってみたいような発言をしていました。
結局、首脳同士でない停戦交渉になったようで、ニュースもほとんどありません。
プーチンさんにしてみれば、停戦交渉の間もウクライナ侵攻を続け、戦況を有利にということなのでしょうが、このあたりも含め、国際情勢の動きに、なんとなく微妙な変化の兆しが見えるようにも感じられます。
もちろんマスコミ情報だけで、判断の出来るものではないでしょうが、このところ、ロシアの国際世論なども無視したあまりに身勝手な行動が目立つからでしょうか。
それに、これまで、ロシア側に相当有利と感じられるような発言をして来たトランプさんの発言のトーンが、少しロシアにとって厳しくなったようにも感じられます。
おそらく今までは、トランプ大統領の発言を安心して聞いていたプーチンさんが、トランプさんから直接に厳しい発言を聞きたくないといった事もあるのではないでしょうか。
かつて、トランプさんが、大統領に就任する以前から、金融面でロシアにお世話になったというのはヨーロッパの一部では通説のようでした。もちろん真偽の程は解かりませんが、トランプさんのロシア寄り発言に少し度が過ぎていたように感じた人は多かったでしょう。
さらに中東とアメリカの関係も大きく動いています。かつて中東では、中東地域へのロシアの勢力拡大を予測する意見も多かったようですが、シリアでアサド政権が崩壊、サウジやトルコの動きもあってトランプさんは新しいシリアの暫定政権には制裁の解除、復興の始まりと応援の姿勢を示しています。
プーチンのロシアがこうした情勢を見ながら、どこまでトランプさんに頼るかという点で、プーチンさんがどんな判断をするか、プーチンさんが独裁色を強めれば強めるほど、独裁制の「累卵の危うさ」を内心に感じるという心理面も否定できないのではないでしょうか。
加えて、まだことは暫定的ですが、米中関係がトランプ流ディールの結果からしてもアメリカにとって中国の活用の経済効果で「カップリング」に進む様な状況はロシアには好ましいことではないでしょう。
そうした日米中のサプライチェーンがうまく機能すれば、中国はロシアと組むよりアジアと組むことを選ぶのではないでしょうか。
さらには、日本はトルコと古くからの親善関係がありますし、また、イランに対してもかつてその近代化の過程でのインフラ建設の協力の実績などで親善関係は築けているのです。
日本の誠意に満ちた外交が、こうして面で自由世界の経済問題も含めた交流の促進に役立てば、世界で唯一の独裁大国ロシアの孤立はさらに深まり、望むらくは、ロシアで、かつてのゴルバチョフのような人がリーダーに選ばれ、世界の平和が大きく進む様な事すらも期待できるのではないでしょうか。
日本は、世界から「戦わずに役に立ってくれる国」というイメージを得てきていると思います。そうした国が、世界に1つぐらいあってもいいのではないでしょうか。日本のリーダーの心構えを問いたいところです。