司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

整備法第53条と監査役の任期満了問題

2007-01-25 16:40:15 | 会社法(改正商法等)
 再々取り上げている話であるが・・・。

 たとえば、3月決算で資本金5000万円の株式会社が、平成18年1月に増資を行い、資本金2億円となって、会社法の施行日を迎えたような場合、当該株式会社は、小会社でなくなった後の経過措置(旧特例法第26条第1項)の適用を受け、当該株式会社の監査役の監査の範囲は、平成18年4月30日まで、会計に関するものに限定されたままであるが、当該株式会社には整備法第53条の規定は適用されないので、当該監査役の権限は、施行日である平成18年5月1日に業務監査権限まで拡大し、当該監査役は任期満了となっている。したがって、新たに選任の手続を行い、会社法の施行日から6か月以内に変更の登記の申請をする必要があった。

 しかし、上記に該当するにも関わらず、看過している株式会社は、やはり多いようであり、このような株式会社に関与している信託銀行の担当者であっても「手続は不要」と誤解して、そのように教示しているケースがまま見受けられるようである。

 看過したままの状況が続けば、過料に処せられる事態となるので、速やかに対応すべきである。また、手続は不要と教示した信託銀行は、損害賠償請求の嵐に見舞われる事態となり得るので、関与先が上記に該当するか否かを再度確認しておくべきであろう。
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