司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

外国会社の登記制度異聞

2022-08-22 09:51:21 | 会社法(改正商法等)
 先般,グーグルやマイクロソフトについて,外国会社の登記がされたことが報じられたところであるが・・・。

 グーグル(Google LLC)は,デラウェア州法を設立準拠法として設立されたLLCであるが,主たる事業所は,シリコンバレーに置かれていることは,広く知られているところである。

 実は,私も,20年くらいに前に訪問したことがある(と言っても,遊びに行ったようなものであるが。)。

 で,問題として浮上したのは,グーグルの外国会社の登記の「本店」として登記されているのは,デラウェア州の Registered address のみで,シリコンバレーの主たる事業所(Principal place of business)については,登記されていないことである。

「Google(カリフォルニア州)」に対する開示決定を取って「外国会社の登記をしたGoogle」に間接強制申立てをしたところ,東京地裁から「2つの会社の同一性を『公的な証明書』で疎明せよ」と指摘されて,手続が止まっている事件があるそうだ。

 グーグル(Google LLC)の業務執行社員である「XXVIホールディングス・インク」の職務執行者の住所として登記されているのが,主たる事業所(Principal place of business)なのであるが・・・。

 折角,外国会社の登記に漕ぎ着けたのに,また新たな問題が・・・。振り出しに戻る?

cf. 亀崎絹子「デラウェア州LLCの本店所在地の記載問題」
https://silkroadlegal.jp/%E3%83%87%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A2%E5%B7%9Ellc%E6%9C%AC%E5%BA%97%E6%89%80%E5%9C%A8%E5%9C%B0%E8%A8%98%E8%BC%89%E5%95%8F%E9%A1%8C/

亀崎絹子「Google LLC社とMicrosoft Corporation社 日本における代表者の登記を司法書士観点で徒然なるままに」
https://silkroadlegal.jp/google-llc%e2%82%8bmicrosoft-corporation%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%ab%e3%81%8a%e3%81%91%e3%82%8b%e4%bb%a3%e8%a1%a8%e8%80%85%e7%99%bb%e8%a8%98/

【追記】
 カリフォルニア州の登記事項証明書は,今年の3月から電子証明になっているそうで,東京地裁もこれをプリントアウトしたもので受理している,という指摘があった。
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