司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

「バーチャルオンリー型取締役会は適法に開催可能か?」

2020-05-27 16:16:32 | 会社法(改正商法等)
「一般社団法人の理事会をオンライン会議でやりたいんですけど,できますよね?」

「ん~,それは・・・ダメです。」

「なぜでしょうか?」

 根拠規定となるのは,一般社団法人及び一般財団法人に関する法律施行規則第15条第3項第1号である。理事会議事録の記載事項として,「理事会が開催された場所」とあることを根拠として,バーチャルオンリー型の理事会は,不可と解されている。

 しかし,いわゆる「ハイブリッド出席型」,例えば,代表理事のいる場所を「開催場所」として招集し,代表理事以外の理事及び監事がWEB会議システムを利用して出席することはOKである。この場合,議事録には,その旨を明記する必要がある。議長である代表理事が存する場所以外の場所を「開催場所」とすることも,OKである。

 株式会社における「バーチャルオンリー型取締役会」も不可である。

cf. 弁護士川井信之(東京・銀座)の企業法務(ビジネス・ロー)ノート
http://blog.livedoor.jp/kawailawjapan/archives/9602809.html
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「家族の多様性と個人の尊重~研究の過去・現在・未来~」

2020-05-27 13:07:18 | 民法改正
「家族の多様性と個人の尊重~研究の過去・現在・未来~」
https://wan.or.jp/article/show/7261

 二宮周平立命館大学法学部教授の定年退職記念講義(動画)です。
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定時株主総会の「継続会方式」と役員の任期満了時期

2020-05-27 12:53:40 | 会社法(改正商法等)
規制改革推進会議第11回成長戦略ワーキング・グループ
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/seicho/20200522/agenda.html


【論点】
 継続会方式を採用する場合、通常の任期満了による役員改選における商業登記の取り扱いと同様、辞任届の提出を要さず、6月の定時総会の総会議事録の提出をもって、役員改選の登記を(9月を待たずに適時に)認めるべきではないか。
※ 「9月」とは,継続会を9月に開催する意である。

【法務省回答】
 定時株主総会において続行の決議(会社法第317条)をし,後日継続会を開催する場合には,当初の株主総会と継続会とが一体のものとして定時株主総会を構成すると解される(そうであるからこそ,改めて招集の手続をすることを要しないこととされ,また,継続会の開催に際して改めて基準日を設定することも要しないこととなる。)。したがって,当該定時株主総会は,当初の株主総会の議事の終了時においては終結していないこととなり,継続会の終了をもって終結することとなる。そのため,役員の任期が当該定時株主総会の終結の時までとされている場合には,継続会の終了時をもってその任期が満了すると解される。
 なお,当初の株主総会の終了時をもって役員が退任するためには,辞任することが考えられるが,その際に登記の申請書に添付する辞任届については,書面ではなく電磁的記録で作成することも可能である(商業登記法(昭和38年法律第125号)第19条の2)。また,申請書に添付された株主総会議事録の内容から,当該株主総会の席上で役員が辞任する旨の意思表示をしたことが判明する場合には,別途,辞任届を添付する必要はない(注3)。
(注3)昭和36年10月12日付け民事四発第197号回答

cf. 商業・法人登記事務に関するQ&A
http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho06_00076.html

 法務省は,「継続会方式」のみならず,「2回総会方式」に関するQ&Aも示している。

【Q3】今般の新型コロナウイルス感染症の影響により,定款で定めた定時株主総会の時期までに事業年度に係る計算書類等の作成が間に合わないため,計算書類等の報告・承認を目的とせずに株主総会を開催し,当該株主総会において役員の改選をすることとした場合,その改選期にある役員(任期の末日が定時株主総会の終結の時までとされている取締役,会計参与及び監査役)及び会計監査人の任期はどうなるのでしょうか。

【A】 定款で特定の期間内に定時株主総会を開催すべき旨が定められており,役員の任期を定時株主総会の終結の時までとしている株式会社が,定時株主総会が通常開催されるべき時期に計算書類等の報告・承認を目的とせずに株主総会を開催し,当該株主総会において役員の改選をすることとした場合には,その改選期にある役員(任期の末日が定時株主総会の終結の時までとされている取締役,会計参与及び監査役)及び会計監査人の任期は,当該株主総会の終結の時をもって満了するものと考えられます。
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取締役会議事録等の電子署名について

2020-05-27 12:43:46 | 会社法(改正商法等)
規制改革推進会議第11回成長戦略ワーキング・グループ
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/seicho/20200522/agenda.html

【論点】
 登記申請時添付すべき契約書面や取締役会議議事録等について、電子署名による押印では認められず、取り扱いを拒否される事例に悩まされる企業が多いとの声がある。

① 会社法第 369 条第4項において、取締役会の議事録が電磁的記録で作成されている場合は、法務省令で定める署名又は記名押印に代わる措置をとることとされ、また、当該措置については会社法施行規則第225 条において、「電子署名及び認証業務に関する法律」第2条第1項と同様の文言で「電子署名」が定められている。これは、電子の取締役会の議事録については、サーバ上で自らの署名鍵で電子署名を行う所謂「リモート署名」及び、電子契約事業者が利用者の指示を受けて電子署名を行うサービスの両方について、署名又は記名押印に代わる措置と解されるということか。

② 登記申請時に添付すべき契約書面や取締役会議事録について、①に記載した2つの方法による電子署名を認めるべきではないか。

【法務省回答抜粋】
「「電子契約事業者が利用者の指示を受けて電子署名を行うサービス」は,電子契約事業者が自ら電子署名を行うサービスであって,当該サービスによる電子署名は,電子契約事業者の電子署名であると整理される。このように整理される場合には,出席した取締役又は監査役が「電子契約事業者が利用者の指示を受けて電子署名を行うサービス」を利用して電磁的記録をもって作成された取締役会の議事録に電子署名をしても,当該電子署名は取締役等の電子署名ではないこととなり,会社法第369条第4項の署名又は記名押印に代わる措置としては認められないこととなると考えられる」

「御指摘のいわゆる「リモート署名」について,当該署名に係る電子認証の仕組みが構築されているなど,上記の要件を満たしている場合には,登記の申請に添付すべき書面に係る情報に講ずる電子署名として認められることとなる。一方,「電子契約事業者が利用者の指示を受けて電子署名を行うサービス」については,①のとおり電子契約事業者が自ら電子署名を行うサービスであることから,作成者の電子署名がないものとして,登記の申請に添付すべき書面に係る情報に講ずる電子署名の要件を満たさないものと考えられる。」
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