司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

法務大臣閣議後記者会見の概要「選択的夫婦別氏制度に対する考え方に関する質疑について」

2024-07-04 14:07:51 | 民法改正
法務大臣閣議後記者会見の概要(令和6年7月2日(火))
https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00527.html

〇 選択的夫婦別氏制度に対する考え方に関する質疑について
【記者】
 6月28日に大臣に経団連幹部が選択的夫婦別姓制度の早期導入を求める提言を提出しました。提言では関連法案の提出などを求めていますが、制度に対する大臣のお考えをお聞かせください。

【大臣】
 6月28日の金曜日、経団連のダイバーシティ推進委員長、ほか役員の方々と面会をいたしまして、御指摘の提言書を受け取りました。御指摘の提言は、夫婦同氏制度が女性の活躍に対する障害になっているとの認識の下、選択肢のある社会の実現を目指す観点から、希望すれば、生まれ持った姓を戸籍上の姓として名乗り続けることができる制度の早期実現を求めるものです。その提言の御趣旨はしっかり受け止めたいとその場でも申し上げました。その上で現在の状況を少し整理して申し上げれば、こうした御提言がある一方で、国民の間にはまだ様々な、御意見、あるいは懸念、そういったものもあります。そういうことでありますが、また一方で、この経団連の提言のような様々な動きもあります。
 こういった状況を我々は、強い関心を持って、しっかりと見極めていき、積極的に注視し、こういう立場に立って、それぞれのお考えや提言といったものに注目し、また理解して我々の知見をアップデートしようというスタンスで今いるところです。
 やはり、国民の意見を代表する国会の場において議論が進むということも期待したい。政府の検討と並行して、国会でも議論が進むことを期待したいというふうに思っています。
 こうした議論が進むように、引き続き、我々の積極的な注視や積極的な情報提供をしっかりと実行していくという段階に今あるというふうに考えています。
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名寄ひまわり基金法律事務所の廃止

2024-07-04 10:20:14 | いろいろ
名寄ひまわり基金法律事務所の廃止について
https://www.dohoku-law.com/archives/945

 今年7月末に廃止されるらしい。

 ひまわり基金法律事務所の廃止は,4つめ。
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指名委員会等設置会社等における本店移転に関する事項の決定の委任

2024-07-04 09:51:50 | 会社法(改正商法等)
 指名委員会等設置会社の取締役会は,その決議によって,指名委員会等設置会社の業務執行の決定を執行役に委任することができる(会社法第416条第4項本文)。

会社法
 (指名委員会等設置会社の取締役会の権限)
第416条 指名委員会等設置会社の取締役会は、第三百六十二条の規定にかかわらず、次に掲げる職務を行う。
 一 次に掲げる事項その他指名委員会等設置会社の業務執行の決定
  イ 経営の基本方針
  ロ 監査委員会の職務の執行のため必要なものとして法務省令で定める事項
  ハ 執行役が二人以上ある場合における執行役の職務の分掌及び指揮命令の関係その他の執行役相互の関係に関する事項
  ニ 次条第二項の規定による取締役会の招集の請求を受ける取締役
  ホ 執行役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
 二 執行役等の職務の執行の監督
2 指名委員会等設置会社の取締役会は、前項第一号イからホまでに掲げる事項を決定しなければならない。
3 指名委員会等設置会社の取締役会は、第一項各号に掲げる職務の執行を取締役に委任することができない。
4 指名委員会等設置会社の取締役会は、その決議によって、指名委員会等設置会社の業務執行の決定を執行役に委任することができる。ただし、次に掲げる事項については、この限りでない。
 一~二十四 【略】

 監査等委員会設置会社は,取締役会の決議によって重要な業務執行(会社法第399条の13第5項各号に掲げる事項を除く。)の決定の全部又は一部を取締役に委任することができる旨を定款で定めることができる(同条第6項)。また,監査等委員会設置会社の取締役の過半数が社外取締役である場合には,当該監査等委員会設置会社の取締役会は,その決議によって,重要な業務執行の決定を取締役に委任することができる(同条第5項本文)。

 (監査等委員会設置会社の取締役会の権限)
第三百九十九条の十三 監査等委員会設置会社の取締役会は、第三百六十二条の規定にかかわらず、次に掲げる職務を行う。
 一 次に掲げる事項その他監査等委員会設置会社の業務執行の決定
  イ 経営の基本方針
  ロ 監査等委員会の職務の執行のため必要なものとして法務省令で定める事項
  ハ 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
 二 取締役の職務の執行の監督
 三 代表取締役の選定及び解職
2 監査等委員会設置会社の取締役会は、前項第一号イからハまでに掲げる事項を決定しなければならない。
3 監査等委員会設置会社の取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の中から代表取締役を選定しなければならない。
4 監査等委員会設置会社の取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。
 一 重要な財産の処分及び譲受け
 二 多額の借財
 三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任
 四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止
 五 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項
 六 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除
5 前項の規定にかかわらず、監査等委員会設置会社の取締役の過半数が社外取締役である場合には、当該監査等委員会設置会社の取締役会は、その決議によって、重要な業務執行の決定を取締役に委任することができる。ただし、次に掲げる事項については、この限りでない。
 一~二十二 【略】
6 前二項の規定にかかわらず、監査等委員会設置会社は、取締役会の決議によって重要な業務執行(前項各号に掲げる事項を除く。)の決定の全部又は一部を取締役に委任することができる旨を定款で定めることができる。

 ところで,指名委員会等設置会社は,例えば本店移転に関する事項の決定を,執行役に委任することができるか。すなわち,本店移転による変更の登記の申請書の添付書面として,取締役会議事録ではなく,執行役の決定書でよいか。

 また,監査等委員会設置会社においても,本店移転に関する事項の決定を,特定の取締役に委任することができるか。すなわち,本店移転による変更の登記の申請書の添付書面として,取締役会議事録ではなく,例えば代表取締役の決定書でよいか。

 この点,

1.会社法上,本店移転に関する事項の決定について,取締役会の決議事項である旨の明文の定めはない。

2.登記実務において取締役会の決議事項として取り扱われているのは,会社法第362条第4項第4号の「重要な組織の変更」に該当すると考えられているからである(松井信憲「商業登記ハンドブック(第4版)」(商事法務)190頁)。

3.指名委員会等設置会社においては,取締役会は,「重要な組織の設置等」(会社法第362条第4項第4号)の決定を執行役に委任することができる(江頭憲治郎「株式会社法(第9版)」(有斐閣)589頁)。また,監査等委員会設置会社においても,一定の要件(会社法第399条の13第5項,第6項)を満たせば,取締役会は,この決定を特定の取締役に委任することができる(同書617頁)。

と考えられる。

 この点,余り参考文献は見当たらないが,わずかに,「事例式 商業登記申請マニュアル」(新日本法規)に,

「一般的には、指名委員会等設置会社においては執行役らの決議若しくは執行役の決定により・・・・・具体的な本店の所在場所及び移転時期を決定している。」(296ノ6頁)

「指名委員会等設置会社の場合には、執行役らによって具体的な本店移転場所及び本店移転日を決定することとなるので、その場合には執行役らの決定を証する書面(形式としては、執行役会議の議事録となると解される。)の添付を要する。」(297頁)

という記述が見られる。

 というわけで,

1.指名委員会等設置会社は,例えば本店移転に関する事項の決定を,執行役に委任することができ,この場合,本店移転による変更の登記の申請書の添付書面としては,取締役会議事録ではなく,執行役の決定書でよい。

2.また,監査等委員会設置会社においても,本店移転に関する事項の決定を,特定の取締役に委任することができ,この場合,本店移転による変更の登記の申請書の添付書面としては,取締役会議事録ではなく,例えば代表取締役の決定書でよい。

と考えてよいであろう。

 実際のところ,取締役会で決定され,登記の申請書の添付書面は,取締役会議事録であることが多いようであるが。
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日本私法学会2024

2024-07-03 21:20:01 | 会社法(改正商法等)
日本私法学会
https://japl.jp/news/231122_02/

「日本私法学会2024年度大会は下記の会場・日程で開催されます。

【会場】大阪大学法学部(大阪府豊中市待兼山町1-6)
【日程】2024年10月12日(土)、13日(日)

*第1日目にシンポジウム、第2日目に個別報告が実施されます。シンポジウム・個別報告を実施する順序が例年と異なりますので、ご注意ください。

**シンポジウムは、以下のものを予定しております。
[民法]「多様なリスクへの法的対応と民事責任――科学技術の発展に伴うリスクを中心に」(責任者:大塚直教授)
[商法]「近時のM&A法制の動向と理論的課題〔仮題〕」(責任者:田中亘教授)

***オンラインでの聴講・参加の可否については、今後検討いたします。」
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新宿区の新規設立法人におけるオフィス選択の最新調査

2024-07-03 21:16:00 | 会社法(改正商法等)
新宿区 新規設立法人におけるオフィス選択の最新調査
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1389152

 上記調査結果によると,

住居系: 43.8%
シェアオフィス(バーチャルオフィス含む): 28.1%
一般オフィス: 19.5%
その他・不明: 8.6%

 なるほど,全体の約72%は,個人事業者レベルの法人成りであるようだ。

 シェアオフィスが約28%と,想定以上に多い感。
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ほんとに判子押さなくていいんですか?

2024-07-02 16:50:36 | いろいろ
KOF2020 【招待講演】ほんとに判子押さなくていいんですか?
https://www.youtube.com/watch?v=7VNsRHExOxM

 契約書と,判子や電子署名の関係についてのお話。

 講師は,西尾太一判事(現在,大阪地裁第21民事部(知的財産権専門部))。サイバーセキュリティ関係の専門家で,ジュリスト最新号(2024年7月号)にも寄稿されている。
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三菱UFJ銀行等の本店移転

2024-07-02 15:06:20 | 会社法(改正商法等)
MUFJ
https://map.bk.mufg.jp/b/bk_mufg/info/BA591940/

 本社ビルの建替えのため,株式会社三菱UFJ銀行は,令和6年7月16日,東京都千代田区丸の内一丁目4番5号(三菱UFJ信託銀行本店ビル)に仮移転するそうだ。新本社ビルの竣工は,令和11年の模様。
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不活動宗教法人の状況等に関する調査

2024-07-02 14:58:44 | 法人制度
令和5年「不活動宗教法人の状況等に関する調査」結果について by 文化庁
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/94071601.html

「文化庁では、文部科学大臣及び都道府県知事が所轄庁である宗教法人における不活動宗教法人(宗教活動は行っていないが、法人格のみ存在していると推定される法人)の状況等について調査を実施しています。
 令和5年調査について取りまとめましたので公表します。」
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空き家等に係る宅地建物取引業者の媒介報酬規制の見直し

2024-07-02 14:51:04 | 不動産登記法その他
国土交通省
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/tochi_fudousan_kensetsugyo_const_tk3_000001_00066.html

〇 低廉な空家等の媒介の特例
 低廉な空家等(物件価格が800万円以下の宅地建物)については、当該媒介に要する費用を勘案して、原則による上限を超えて報酬を受領できる(30万円の1.1倍が上限)。
 ただし,媒介契約の締結に際しあらかじめ、上記の上限の範囲内で、報酬額について依頼者に対して説明し、合意する必要がある。

 令和6年7月1日から。

 つい先日,低廉な空家等の売買で,仲介業者の報酬が「18万円の1.1倍」だったので,「えっ!」と思ったら,その時点で既に,「物件価格が400万円以下」の特例が設けられていたのであった。今般の改正により,さらに拡充された。
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土地境界のみなし確認制度の導入

2024-07-02 14:20:22 | 不動産登記法その他
国土交通省
https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo06_hh_000001_00012.html

◆ 改正のポイント
〔1〕土地境界のみなし確認制度(現地調査等の通知に無反応な所有者等がいる場合の手続)の新設(準則第30条関係)
 現地調査等の通知を複数回行っても土地の所有者等から反応がない場合において、当該土地の所有者等に対し、筆界案を送付し、20日以上経過しても意見の申出がなければ、当該所有者等が筆界の確認をしたものとみなして調査を進めることができることとします。
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