Altered Notes

Something New.

北方領土を不法占拠し続けるロシアの傲慢

2022-04-27 22:38:52 | 国際
ロシアのウクライナへの侵略を批判する日本が2022年版の外交青書で北方領土を「日本固有の領土であるが、現在ロシアに不法占拠されている」と明記 した事に腹を立ててロシアの副首相が日本の北方領土を「ロシアのものにする」と言って恫喝しているのだが、その態度はまるで子供の喧嘩レベルであり、あたかもジャイアンの台詞のようだ。(蔑笑)ロシア政治家の「程度の低さ」を象徴する台詞として多くの人の嘲笑を誘っている。

この件で在日ウクライナ人のナザレンコ・アンドリー氏が意見を述べており、その内容を基調にして記してゆきたい。


ロシアは「投資を通じて北方領土のロシア化を進める」と宣っているのだが、戦後の70年間で出来なかったのに今さら出来る筈もないだろう。ソ連の時代でも北方領土は非常に貧しい地域であったが、ではなぜそこに人が住んでいるのかと言えば、ソ連(ロシア)政府に移住させられたからである。

北方領土はロシア本土から距離もあるし首都モスクワからは最も遠い場所だ。移住させられたロシア人たちはロシア政府からの手当をもらうことができたから我慢して住んでいるのだ。もしもその手当が無かったら早晩ロシア本土に戻ろうとすることだろう。ロシアは実効支配を強めるために実は北方領土に国家予算を結構注ぎ込んでいるのである。

しかし現在はウクライナ侵略の責任を国際社会から問われて経済制裁を喰らっている最中のロシアである。ロシア全体が貧しくなっていく過程で北方領土をキープし続けるのは結構きつい…というのが本音だと推測されるところだ。

ちなみに、ロシア副首相は「北方領土をロシアのものにする」と宣うのだが、そもそも北方領土の4島をそれぞれロシア語では何と呼んでいるのだろうか?

その答えは・・・。

「シコタン」「ハボマイ」「クナシリ」「エトロフ」…何のことはない、日本語でありロシア語には無い言葉なのである。ロシア人は「北方領土はロシア固有の領土だ」と宣うのだが、ナザレンコ・アンドリー氏がそのロシア人に「では、”シコタン”はロシア語で何という意味ですか?」と聞いたところ、答えられずに黙ってしまったそうである。(笑)つまり北方領土が紛れもなく日本固有の領土だから、なのである。ロシア語に依る呼び名など何処にも無いのだ。ロシアの固有の領土で昔から実効支配しているのならロシア語の名前があって当然だが、実際には無い。未だに日本の呼び名を使っているのが実態だ。

ロシアは北方領土に投資を進めるというのだが、今現在、北方領土に最も投資しているのは中国と韓国である。(比率は中国の方が大きい)
インターネットのインフラ整備も全て中国製ということだ。ロシアは北方領土に特別区を作って免税地域を作ろうとしているのだが、ここでロシアはとても卑怯なやり方をしている。

どういうことか。

ロシアは日本の投資家から3000億円の投資を受けながら日本は優遇せずに中国・韓国を優遇する政策をとったのである。ナザレンコ・アンドリー氏に依れば「これは完全に詐欺だ」、ということだ。

ロシアは日本が「北方領土はロシアに不法占拠されている」と主張することへの反発と言っているのだが、それは言い訳である。
メドベージェフ元大統領ははっきり言っている。

「私たちは元々日本人と妥協点を見つけられない事が判っていた。(今までの)北方領土交渉は儀式的なものに過ぎなかった。」

つまり、ロシアは「4島一括返還」も「2島返還」も全く念頭になく、もとより北方領土を日本に返す意思など全然無かったのである。

そもそも「2島返還」というのは、その呼び方も詐欺である。

なぜか。

その2島(色丹島と歯舞群島)は北方領土全体の5%に過ぎないからである。つまりロシアにとっては「2島返還」というのは「日本が北方領土の95%を永遠に手放す」という意味であったのだ。だが、ロシアはその僅かな5%の領土ですら日本に返すつもりはさらさら無かったのである。それはロシア政府の言動からはっきり判るのだが、なぜか日本の国会の中ではこうしたロシアの姿勢に異を唱えるどころか、未だに日本の国益ではなくロシアの国益のために必死に働く国会議員が居ることは驚きでしかない。これは日本の中枢にロシアの工作員が居て好き勝手に活動しまくっている、ということなのである。