Altered Notes

Something New.

日本のIWC脱退は正解

2019-02-12 05:13:00 | 国際
クジラ(捕鯨)の話である。
2018年12月26日に日本は国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退を表明した。日本は今後、2019年7月から31年ぶりに商業捕鯨を再開する予定である。

IWCはクジラに関して国際的な取り決めをする機関だが、多くの人が抱く一般的な誤解として国際機関というのは立派な組織だと思われていて、従ってそこを脱退するのはよろしくないという印象を持つ人が多いかもしれない。

しかし、これは大きな誤解である。

実は国際機関には正義は無く頼りにもならないのが実態だ。決してニュートラルな公平な意思決定をしている組織ではないし、人によっては”マフィアのようなもの”とさえ言う。どの組織でもそうだが、理事国と呼ばれる力を持つ格上の国や資金を多く拠出している国の意見が強硬にまかり通ってしまうのが普通である。これに反対ならば脱退すれば良いし、脱退しても特にペナルティーを課されることもない(国家には主権があるので)。従って意味のない国際機関から脱退するのは正しいのである。

そもそもIWCは鯨という資源を管理する観点で運営されていたのだが、気がついたら反捕鯨国の価値観を押し付けてくる事がメインになってしまったので脱退するのは当然の流れと言えよう。

現在、IWCには捕鯨どころか漁業すらしたことがないようなアフリカ内陸の小国まで加盟している。言うまでもなくこれは反捕鯨国による工作である。日本は捕鯨が資源的に見て問題ないことを科学的な資料を提示して説得してきたのだが、それで日本の意見が優勢になってくると反捕鯨国は前述のような小国を入れてきて数の力で強硬に反発し日本の動きを阻止してくるのだ。これでは国際機関として公正な運営ができているとは全く言えない。酷い実態である。(*1)

そもそもこの国際機関では科学的データに基づくまともな議論などされないのである。本来建前で言えばデータに基づいた客観的な議論をすべきだが、日本がきちんとルールに則りデータを提示しても相手にされないのだ。こうした悪い方向のバイアスがかかった国際機関だからどうにも手の打ちようがない、というのが実情である。

現在、捕鯨を支持する主な国は下記の通りである。

日本
アイスランド
ノルウェー
ロシア
デンマーク
韓国
ギニア など

この中で例えば韓国は日本の2倍捕鯨を行なっている。ノルウェーも普通に捕鯨している。それらはなぜ問題にならずに日本の捕鯨だけが問題になっているのか・・・。
その理由は
「日本を怖がっている」
からである。

なぜ怖いのか?

実は軍事がらみの話になってくる。各国海軍の原子力潜水艦への影響が懸念されるから、だ。

どういうことか?

捕鯨においてはソナー(音響探知機)が使用される。この日本のソナーは実は非常に優秀なので、ソナーを打つと各国の原子力潜水艦が何処に居るか、場所がたちどころに判ってしまうのだ。そんな大きな軍事機密を日本に知られてたまるものか、というのが実は本音なのである。アメリカもそうだしロシアも嫌がることである。だからもっともらしい綺麗事を言って日本に捕鯨をやらせないようにしたい、というのが反捕鯨国の本音なのであって、これが真実なのである。


IWCを脱退することは日本にとって何かデメリットはあるのだろうか。
結論から言えばデメリットは無い。
日本が国際機関を脱退すると言うと戦前の国際連盟脱退を想起させて何か問題があるのではないか、と思わせるのだが、実は戦後になってから日本が脱退した国際機関は18もあるのだ。だから実はそんなに大騒ぎするほどのことでもないのである。

但し打たなければならない手があるのも事実だ。国連海洋法条約という海の憲法と言われている条約があるのだが、その中には適当な国際機関を通じて捕鯨を行うことが明記されているので、日本としては日本と他の捕鯨国で集まって第2のIWCを創設して捕鯨を行なう、という道がある。この方向で捕鯨が再開される事になるであろう。



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(*1)
日本にもまずい点はあった。国際機関は元の議論もさることながら裏の根回しが重要である。根回しで決まる物事は少なくない。そして日本はこうした根回しが非常に下手な国なのである。それは担当が水産庁の役人なのでそもそも期待できないことではあったが・・・。
警察や裁判所が無い世界においては裏取引が「正」でありそれしかないのだ。裏取引以外に国際ルールは決められないのが実態である。