Altered Notes

Something New.

渋谷のハロウィン暴動の意味

2018-11-03 21:23:30 | 社会・政治
渋谷のハロウィンでは暴動に近い状況が生じて多くの一般人が大きな迷惑を被った。
なぜこのような現象が生じるのかについてTV番組等でも様々な意見が飛び交っているが、最も妥当な説明は
「荒れ狂う若者たちは”祭り”をやっているのだ」
というものだろう。

どういうことか。

日本では古の昔から「祭り」「祭礼」というものが存在した。多くは宗教行事と連動したものが多いのだが、「祭り」の開催には必然的な理由がある。人間の無意識の中には普通に生活していても”負のエネルギー”が蓄積されてくる。ユングの深層心理学なら「影(シャドウ)」と呼ばれる元型に関するものであり、普段の人生においては各々が抑圧して外には出さないようにしているものである。なぜならすべての人がその部分を表に出してしまうと社会的人間関係が滅茶苦茶になり全てが混乱して上手く回らないからである。人間の深層心理(無意識)の中にはそのような厄介な心的要素が詰まっているのだ。

そんな”負のエネルギー”を一気に吐き出して深層心理を健やかな状態に戻すための仕組みが「祭り」「祭礼」なのである。実際に行われる祭礼の内容は地方によって様々だが、いずれも人間の心の深層部分、いわば魂のレベルで浄化作用が生じるようなイベントであり、単なるストレス発散といった表層的なレベルの話ではない。

なお、こうした古来から伝わる祭りの形式だけ残すような「○○祭り保存会」のようなものはあまり意味がない。なぜなら、祭りの本来的な目的は参加する人々の「魂の浄化」にあるのであって、祭りの「形式」を保存したりなぞったりすることに意味がある訳ではないからである。

ハロウィンの渋谷のような現象は精神状態が荒んだ連中が誤った形と方向で負のエネルギーを放出してしまった事象と言えるが、本来的な形にうまく誘導できれば、本来日本の文化ではないハロウィンも存在意義が認められるというものである。

このようなハロウィンにおける負の心的エネルギーの放出は、毎年の成人式においてもやや見られる傾向にある。あそこで暴れる若者たちもまた悪しき形で「祭り」をやっているのだ。

社会のあちこちで混乱や事件事故が生じる現代日本であるが、だからこそ深層心理に依拠した本来的な意味での「祭礼」の復活は各地方において積極的に考えられるべき問題かと思われる。