Altered Notes

Something New.

藤田ニコルの印象

2018-05-23 08:40:31 | 人物
にこるんが注目されている。

にこるんの存在は彼女が十代の頃から知ってはいたが、当時は特に関心を持てなかった。十代のノリや軽薄でケバケバしいファッション感覚には当然ながら1%も興味が持てなかったからだ。しかしそんな中でも、どんなに浮かれた空気の中でもにこるんはどこか冷めた部分を持っている事が画面を通しても見て取れた。はしゃいでいるように見えてもどこか冷静な部分は決して失わなず、客観性を維持し続けられる落ち着きが感じられたのだ。彼女に対して特に大きな関心を持つことも無い一方で他の女の子達とは何か違うものを持っていることだけは認識できていた。

そのまま年月は流れる。

しばらくすると、にこるんがティーンエイジャーのファッション誌であるポップティーンの専属モデルを卒業し女性ファッション誌ViViの専属モデルになるという。この頃にTVで見かけたにこるんは以前のポップで派手なイメージからは大きく変貌を遂げていた。年月の経過に比例して相応に歳を重ねて可愛らしさの中に大人の風格が垣間見えるようになり、藤田ニコルらしい独特の個性がいい形で醸成され、そして以前から感じられた冷静さがより思慮深い人間性として印象付けられるようになった。

にこるんを見続けていると、冷静さや思慮深さと共に彼女が「自然体であること」「普通であること」を大切にしているのが判ってくる。人間は「普通でいること」が思いのほか難しい。無理せず、着飾ることなく、ありのままに自然で普通にいられるのは実は凄いことなのである。

人間は社会生活においては必ず何かしら取り繕う心理が芽生えるものだ。他者に対して「良く見せよう」という無意識的な動機が必ず発動して変に頑張ってしまうのである。それが人を不自然にしたり普通でなくさせたりする原因になる。特に衆人環視の状況下では益々その傾向が強くなるものだ。

にこるんはそうした心の中の不純物にとらわれることなく常に自然体で普通でいられるところが彼女の人間性を際立たせている。落ち着いている時もはしゃいでいる時も常に にこるん流 の自然体かつ常に自覚的でいられるところ、つまり普通で居られるところが非凡なのである。それは長い年月をかけて自分を磨いてきた人だけが獲得できる品格であり人間性の有り様なのだ。実際、にこるんは幼少の頃から母親との関係や大人社会の中で揉まれる内に極めて自覚的な意識を持ち自分を常に客観視できるマインドを自ら育んできた。

そんなにこるんのナチュラルで奥行きの深さと思いやりのある豊かな人間性は分かる人にはちゃんと伝わっている。だから「大人にこちゅう」(大人のにこるんファン)が激増している現象も必然と言えるのだ。