鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【4466回】 ライバル会社より、商品面で負けていても、買っていただくには・・・

2023年03月23日 | 営業マンとして

最初に勤めさせていただいた住宅資材メーカーで、

私、キッチンやバスを売る部署に配属されました。

 

2000年頃、北海道ではバスに関しては、

江本工業(って、この会社名、知ってる人いないですよね?)が

最大のシェアを握っていて、

しかもユニットバス底面の断熱材の施工に関して、

大工さんが仕事しやすい工夫もされていて、

知名度、価格、現場の職方さんがやりやすい、

という点で圧倒的に負けておりました。

 

更にその後、バリアフリーという概念が一気に広がり、

その中で松下電工(今のパナソニック)が

ハーティーという商品を出してきたのです。

 

これが脱衣室との段差2センチを実現し、

更に価格が私たちの商品より5万円安い。

 

これまた知名度、価格、商品力において、

圧倒的に負けておりました。

 

更にキッチンに関しては、

タカラスタンダードさんのホーロー製で、

しかもキッチン前のパネルまでホーロー製なので、

熱にも傷にも強く、磁石でいろんなものがつけられる、

という部分であったり、

ショールームが北海道各地にあったりもして、

施主様がショールームで現物確認できる、

という点でも圧倒的に負けておりました。

 

キッチンに関しても、

商品力、価格面、ショールームという点で

圧倒的に負けておりました。

 

そんな中でも私たちの部署は、

キッチンやバスなどを販売しなくてはならない。

 

当初、私は商品力で圧倒的に負けているので、

売れる訳ない、と思っていて、

更に上司であったり商品開発部に対しても

売れない理由を見つけては、

売れない理由を商品や商品開発力のせいにしていたのです。

 

そんな中、私の当時の上司は、

 

「商品も良くて、価格もライバルより安かったら、

高いお給料を払って、営業マンなんて雇う必要無いんだよ、会社は。

 

条件的に負けている商品を売るために、

会社は高い給料を払って、俺たちを雇ってんだよ!」

 

と教えてくれました。

 

そして、こうした環境の中でも

売りまくっている先輩のやり方を学ばせていただき、

どうすればお客様は買いたくなるのかを

徹底的に20代の頃、学ばせていただいたのです。

 

この経験、私にとって宝物です。

 

結論、商品面で負けているので、

それ以外の部分で圧倒的に差をつければ、

お客様は買って下さったのですね。

 

例えば、営業マンが商品決定権を持っている会社の場合、

その営業マンの愚痴を聞いて共感したり、

その営業マンのお役に立つ情報を集めて届けたり・・・。

 

社長が決定権者の場合、

その社長が喜ぶことをコツコツとやったり・・・。

 

社長が飼われているワンちゃんのお散歩に行ったり、

お昼にお弁当を持って社長のご自宅に行き、

社長と一緒にご飯を食べたり・・・。

 

社長一家が、昼食後、お昼寝をする習慣がある会社に関しては、

ご家族と一緒に居間でお昼寝をご一緒させていただいたりもしました。

 

で、「こいつ、かわいいな」と思っていただけると、

買ってあげたいな、と感じて下さるお客様もおられる、

ということを理解できたのですね。

 

要はお客様の困っていることや求めていることの解決のために、

一所懸命取り組む。

 

お客様に可愛がっていただけるよう、行動する。

 

もちろん、そういう手法が通用せず、

ドライに価格だけを見るお客様も多々、おられました。

 

そういう会社は、安売り他メーカーに任せておけば良いのです。

 

情に厚く、人で買うというお客様は、必ずいます。

 

そういうお客様に選んでいただければ良い、と腹をくくることができました。

 

で入社4年目から、毎期表彰していただける結果を出せたのです。

 

商品面、価格面で負けているからといって、

勝てる方法を真剣に探すことを放棄していませんか?


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