鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第3459回】 変わるべき人は誰か?

2020年06月19日 | 住宅コンサルタントとして

社員さんが少ないうちは、

トップの指示が全て口頭であったとしても

それなりに社員さんに伝わります。

 

ところが組織の人数が増え、部署が増え、

拠点が増え、取り組む事業が増えていくと、

それまでの伝え方ではつたわりにくくなっていきます。

 

だから、複数拠点で事業を展開している会社が、

絶対に取り組まなくてはならないことは、

書面で全社員に会社の方針や基本的な理念を発信する、

ということです。

 

私自身、最初に仕事をさせていただいた建材メーカーで、

この基本を徹底的に学ぶことができました。

 

この商品のこのグレードが販売中止になる、といった商品のことから、

発注のルールがこう変わる、といったことまで、

全て毎週、通達が書面で出され、

拠点に所属している人全員が、目を通し、ハンコをつく。

 

各拠点の責任者が口頭で伝えられる量をはるかに超える通達量なので、

書面で回さないと皆、理解できない訳ですね。

 

そしてコンサル会社に転職した際は、

社内に専用オンラインシステムがあって、

そこにアクセスすると会社のルールや通達が

いつでも見られる状態になっていました。

 

社員の大半が全国のクライアント様に行っている訳で

会社にいつでも全員がいる訳ではないので、

どこにいてもアクセスできるようになっているのです。

 

成長を目指す企業の経営者は、

こうしたことを理解して社内の制度を整えていかなくてはなりません。

 

ところが、こうしたことを何度お伝えしても、

社員さんを集め、口頭で伝えようとする経営者が、

世の中小企業の経営者にはメチャ多いのです。

 

で、経営陣の方針どおりに進んでいかない場合、

 

「ウチの社員は理解力が無い」

「ウチの社員は人間力が低い」

 

などと、社員さんに原因があるかのように言ったりする訳です。

 

口で言われたことを理解する能力がある人なんて、

ほとんどいない、ということを経営者は理解すべきです。

 

 

会社が成長し、社員さんが増えれば増えるほど、

いろんな考え方、価値観の人が入ってきます。

 

だから、会社のDNAに合わない社員さんでも

ルールを守らなければ、出世しない、収入が下がることが分かる、

というようなしくみを構築する必要があるのです。

 

もちろん、社員さんに問題があるケースもあるでしょうが、

いろんな人を使いこなせて(使う、という言葉は好きではありませんが・・・)、

はじめて組織の規模に経営者の能力や器が追い付いてきた、

と言えるでしょう。

 

変わるべきは、社員さんではなく、

経営者の発想と行動なのです。

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