鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第2548回】 異質を受け入れないトップは、組織を大きくできない

2017年12月21日 | 住宅コンサルタントとして
漫画の名作は、いろんなことを教えてくれます。
そこからさまざまなことを学んだり、気づいたりすることができるのです。

個人的に大好きな漫画は、「マネーの拳」という漫画。

ボクシングの元世界チャンピオンが現役を引退後、
事業を起こし、経営者となって成長していくストーリーです。

創業当時のメンバーが、会社が大きくなっていく中で独立を考えたり、
社内で派閥をつくったり、経営者の方針に反対したり・・・。

組織がバラバラになりそうなこともあったり、
ファンドに買収されそうになったりと、
いろんなことがありながら、いろんなことを乗り越えていく中で
経営に必要なことは何なのか、ということを考えさせられる名作です。

現代の経営者が経営をしていく上でヒントになることが、多々描かれてあります。

そんな中で、経営者が11巻で言っている言葉に、
経営者の本質が書かれてあるような気がするのです。

「会社とは一本の川のようなものであって・・・
小さなせせらぎで終わるか、海に注ぐ大河になるか・・・
大河になるためには一本の流れのままで伸びていくことはできない。
途中からいろんな支流が合流して、徐々に川幅を広げてゆく。

その支流とは、いろいろな土地や山のいろいろな養分を運んでくる。

それらが川を豊かにする。
それが恩恵をもたらす。

やがて川は、大きな海へと注ぎ、地球を潤す。

周囲をコンクリで固めた一本の流れだけで、
海へとたどり着くことはあり得ない。

そんな川は途中で必ず枯れる。

偏狭な縄張り主義は、必ず企業を滅ぼすんだ。

経営者というのは絶対に川を枯れさせてはいけない。
栄養をたっぷりと企業に運び、豊かにする責任があるんだ。

そのためにはどんどん支流を増やす。
能力があり意欲のある支流をね」
(※支流=中途で入社してくる人材のこと)


組織が小さいうちは、経営者自身のDNAを注入されたスタッフだらけで、
組織全体にトップの目が行き渡るため、組織は一体化しやすいです。

しかしながら、成長していく中で、能力が高い経験者が必要になり、
中途のキャリアを採用する時期が来ます。

しかしながら、中途組は素晴らしい能力と共に、
いろんな価値観を持って入ってきます。

その中途組の価値観は、異質なものに映ったりするかもしれません。

その異質なものを受け入れるだけの度量があるか?
ここが組織が大きくなるかどうかの分かれ目のような気がします。

もちろん、商売の根本となる考え方や、人としての常識を有しているということは
全ての社員さんにとって必要なことですので、
それらを持っていない人は、どれだけ優秀であっても一緒に働けませんが・・・。


組織が大きくなると、それまで問題にならなかったようなことが問題になったりします。

そこを乗り越えられる器を経営者が見につけようとできるかどうかが
組織を大きくできるかどうかのターニングポイントだと思います。
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