鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第1078回】 お客様の気持ちが分かる素人が業界を変える

2013年12月13日 | 住宅コンサルタントとして
昨日は、これから新築事業に新たに参入するクライアント様と
モデルハウス建設予定の土地を見に行ったり、オープンまでに何をするのかといったことを
丸一日かけて打ち合わせをさせていただいておりました。

「土地を見て欲しいのですが・・・」
と前々から連絡をいただいていたのですが、その土地を見ながら、

「ここに看板を掲げたら、車で行き来する人に目立つんじゃないか?」
「実はオープンまでにこういうショップとコラボしたら面白いと思うのですが、どう思いますか?」
「HP制作には、どれくらいコストをかけたら良いですか?」

などなど、ドンドン質問をしていただきました。

オープンまで、限られた予算の中で自分達はいろんな準備をしなくてはならないが、
いろんなことをお客様の視点で考えているということに、とても嬉しく思いました。

ご夫婦で新規参入に取り組んでいただくのですが、
もう奥様に消費者としての感性がありまくりで、
これなら地域の子育て世代の方が、「是非とも見てみたい」と思うようなモデルハウス、
それからモデルハウスを使った展開が出来るなぁ、と実感しました。

商売の成否は、お客様が決めるのです。
ですから、お客様が潜在的に求めていること、したいと思っていることに
商品やサービスで応えていくのが企業の生き残る道なのです。

しかしながら、この原理原則を理解出来ずに、
売り手である自分達の基準でしか物事を考えられない企業様も多いのが現実です。

ライフサイクルの段階が進んでいく中で、
過去の勝ち組企業が過去の成功体験を忘れられず、変化に適応することが遅れて結果沈没し、
逆に素人が立ち上げた企業が業界でのし上がっていくということはよくあることです。

今、個人的には、セブン&アイホールディングスの鈴木敏文会長の
「売る力~心をつかむ仕事術~」という本を読んでいますが、
この本の中で鈴木会長がおっしゃっているのも、
業界の古い体質や長年の慣習にとらわれず、お客様が求めているであろうことに取り組んだ結果、
いろんな分野の専門家や同業者に反対されたのにも関わらず、
数多くの新しい取り組みが成功した、ということです

コンビニでおにぎりやお弁当を売ることも、
金融(セブン銀行)に参入したことも、
出来立ての鮮度抜群のパンをタイムリーにお店に供給することも、
その道のプロの人たちに全部、失敗するといわれてきたことなのだそうです。

でも、結果は大成功していますよね。

その道の慣習で頭が凝り固まっている人たちが、
如何に消費者の嗜好が分かっていないか、ということです。

だからこそ、素人感覚を忘れず、常にお客様の気持ちが分かるビジネスパーソンでありたいものです。
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