田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

砂浜のヨツモンキヌバコガ

2009-08-13 | 
ヨツモンキヌバコガ
キヌバコガ科のヨツモンキヌバコガ Scythris sinensis (Felder & Rogenhofer, 1875)

津市の白塚海岸。
ヤブガラシの葉に止まるヨツモンキヌバコガを見つけた。この蛾は葉裏へ隠れようとはしなかった。あまり人を怖がらないようである。

成虫出現月は5~8月。越冬世代の個体は前翅が真っ黒だが、8月に現れる成虫には四紋がある。開張は12-15㎜。海岸ではハマアカザによく見られる。
幼虫はアカザ科のアカザ、シロザ、ハマアカザを食べる。蛹で越冬する。
2009.8.12

ヨツモンキヌバコガ

追記
大図鑑によると、「頭胸部は艶のある黒色.前翅に顕著な季節型を生じる.近畿地方では年3回の発生,6月初めに出現する第1回目の成虫(春型)は前翅は艶のある黒一色,第2回のは7月に,3回目のは8月後半から9月初めに出現する夏型で,襞上基部前と翅頂に顕著なオレンジ紋をもつ.夏型にはごくまれに前翅上の2紋が痕跡的に存在する型が現れる.北海道,本州,四国,九州,シベリア,中国に分布する.」(一部省略)
また、同図鑑によれば、キヌバコガ科は世界中に分布しているものの、日本にはヨツモンキヌバコガ以外は知られていないようである。

日本昆虫図鑑1950によると、「12-13㎜.頭は滑らか,紫の弱い光沢があり,下脣鬚は黒色で長くない.末節は短く細くて尖る。触角は太く雄のは下側鋸歯状,基節は特に太くなく,紫光沢ある黒色.後脛節は平凡に長毛があり黒褐.腹部は下面及び側面が黄色,背面は黒色だが基部以外の各節端黄色.前翅は黒色,方向により青又は紫の弱い光沢があり,基部近くと翅頂とに各1黄色紋がある.縁毛は黒褐色。後翅は暗褐.6月末-8月東京近傍と近畿とに普通,中華にも分布.幼虫はアカザの葉上に糸を張る.」


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