田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

津市のコノハナザクラ

2011-04-16 | 樹木

コノハナザクラ Prunus Jamasakura Sieb.ex koidz.ver.nahohiana koiz.etk.takeuchi 2011.4.12 三重県津市河芸町上野

10年前の2001年4月に,三重県環境保全事業団の二人の職員が近くの丘陵地で1株のコノハナザクラを発見した。全国で5番目に発見された株で,京都府と三重県にしか分布していない種だと聞いている。発見当時は新聞にも紹介されたが,その所在を知る人は多くない。満開の頃,毎年眺めに出かけているが,この桜を見物する人とはこれまで出会ったことがない。

葛山(2008)によると,「和名は此花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)にちなんでコノハナザクラと名づけられた。本変種は,葉や葉柄・花柄に毛がないこと,花より先に赤褐色の葉が展開することなどからヤマザクラのグループに属し,開花はヤマザクラより一週間ほどおそい。員弁町での観察記録では4月15日~18日が見ごろである。花は八重で,一輪の花弁の数は40~50枚からなり,花弁の形はヤマザクラにくらべて細長い,さらに,一輪の花にめしべが通常2本,ときに1~5本と変異に富んでいる。」

葛山(2008)は「津市の河芸町久知野にて」としているが,河芸町上野が正しい。
この自生地は上野地区の個人所有地である。

員弁町(現いなべ市)では天然記念物に指定しているが,津市では,調査はしているようであったがこれまでのところ指定していないようだ。ひょっとしたら,津市のコノハナザクラは真のコノハナザクラではないのかも・・・・・。

参考文献
葛山博次 (2008) 此花咲耶姫にちなむコノハナザクラ.三重生物,(58):11-12


コノハナザクラ 2011.4.12 


コノハナザクラ 2005.4.15 崖下は伊勢鉄道が走る。


コノハナザクラ 2005.4.15


コノハナザクラ 2005.4.15


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